特集1 :生徒指導:行事で育てる高め合う生徒

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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ポイント2
学級づくりに行事を計画的に活用する

 学級を盛り上げるためには、新年度の開始前に学級づくりの方法を思い描き、4月から段階的に学級をつくっていくことが大切です。一つひとつの行事を単独で考えず、生徒一人ひとりや学級の成長の見通しを持ち、行事ごとの目標やねらいを明確に位置付けた上で取り組むことが重要なのです。
 先生方が強調されていたように行事に対する生徒の意欲はさまざまです。行事の直前に「優勝しよう」と声をかけても、学級が団結するとは限りません。4月の学級開きのときから、お互いを理解するための班日誌や、お互いに協力する活動を取り入れるなど、日々の積み重ねが重要になります。学級づくりの見通しを持ち、成長のチャンスとして行事をいかにうまく活用するかが求められるでしょう

ポイント3
学校の特色や地域性を生かす行事の年間計画を

 行事をどの順番でいつ行うのか、学校の伝統行事として根付かせていく工夫をするのかどうかなど、学校経営の観点から学校行事を見直すことも大切です。学校が求める生徒像や地域の環境によって、それぞれの学校が重視する行事は異なるでしょう。学校行事を「ほかの活動や行事との兼ね合いで」「前年度と同じだから」という消極的な理由だけで決めるのではなく、学校づくり、特色づくりの一つの柱にすることもできます
 例えば、先生方のお話にあった年度当初の学級目標の発表会や砂浜でのオブジェづくりは、学校や学級への帰属意識を早い段階から高めるきっかけとなります。こうした活動に学校全体で取り組めば、学校の雰囲気も違ったものになるでしょう。多くの生徒がその後のさまざまな活動に積極的な気持ちで取り組めるようになれば、集団としての力が増し、学校や学級の活性化につながります。
 限られた時間の中で、学校行事に見通しを持って取り組むのは大変ですし、ベテラン教師からの指導ノウハウの継承が難しいという指摘もありました。しかし、学校行事を通して形づくられていく学級の雰囲気や団結力は、学びに向かう力の土台となります。生徒が「いい学級だな」「この学級の一員で嬉しい」と思えれば、それが土台となって、毎日の学校生活が充実し、別の場面で力を発揮できることもあるでしょう。
 学級の成長と個々の生徒の成長は両輪になって進むものです。教育における学校行事や学級づくりの意義を今一度見直し、行事を学校づくりに生かしていただければと思います。


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