特集1 :生徒指導:行事で育てる高め合う生徒

長野県松本市立松島中学校

長野県松本市立松島中学校

1958年開校。校区には田園地帯が広がっていたが、近年、市街化の波が押し寄せている。「がまん・気づき・思いやり」という教育目標の下、地域の核となる学校として、学校・家庭・地域が一体となった教育活動を目指す。

校長●吉江厚先生

生徒数●484名

学級数●15学級(うち特別支援学級2)

所在地●〒390-0851
長野県松本市大字島内3986

TEL●0263-40-1367

FAX●0263-47-3219

50周年記念式典日程●2008年11月22日(土)


吉江 厚

▲松本市立松島中学校校長

吉江 厚
Yoshie Atsushi
増田 正

▲松本市立松島中学校

増田 正
Masuda Tadashi
教務主任
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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【学校事例1】 長野県松本市立松島中学校

「校歌1000人大合唱」で
生徒の意識や生活態度を変える

全校生徒と保護者や地域の人々が一堂に会して校歌を歌い上げる…。
松島中学校は2006年度から「校歌1000人大合唱」を毎年秋に行っている。
この行事を通して、生徒はどのように変わっていったのだろうか。

全教職員が校歌を歌うことが、生徒を動かす

 多くの中学校では学級対抗の合唱コンクールが開かれるが、生徒はもちろん教師・保護者・地域の人々も参加する大合唱を行う学校がある。毎年秋の文化祭で「校歌1000人大合唱」を行っている松本市立松島中学校だ。2006年度に着任した吉江厚校長が、PTA作詞という同校の校歌に着目したのがきっかけだった。
 「子どもの豊かな心を育むために、地域と一緒に取り組める活動はないだろうかと模索していたとき、本校の校歌が地域に親しまれていることを知りました。学校と保護者、地域が一つになって歌う機会を持てば、生徒が心を開いて人間性が豊かになると思いました」(吉江校長)
 同校の生徒は純朴な気質だが、当時は生活態度に落ち着きがなく、集団としてのまとまりに欠ける面があった。そうした生徒の意識を、地域の人々とかかわり合うことによって変えられるのではないかと考えたのだ。
 教務主任の増田正先生は、校歌を作詞した当時、同校に勤務していた元教師を訪ね、作詞の経緯を詳細に聞いた。そして、秋の文化祭での校歌大合唱に向けた計画をまとめ、06年5月の職員会で全教職員で推進すると確認。これ以降、週1回、職員朝会後に全教職員で校歌を歌った。
 「生徒に呼びかける前に、まず教職員が校歌を歌って範を示すことにしました」(増田先生)
 全校集会の校長講話では、校歌ができた経緯や大合唱の企画を生徒に伝えた。6月には、全教職員が体育館の壇上に立ち、校歌を披露した。
 「教師が大きな声で歌えば、生徒は驚いて、自分たちも校歌をしっかり歌おうという気持ちになると考えました」(吉江校長)
 教職員全員による合唱を聴いた生徒は、次のような感想を綴っている。
 「私もちゃんと歌わなきゃという気持ちになりました」(1年生)、「普段ふざけている人はしっかりやらなければいけないと思ったことだろう。確かに僕もそう思った」(3年生)
 これを機に、生徒の様子が少しずつ変わり始めた。朝や帰りの学活で校歌を歌うなど、自発的な校歌練習が広がっていったのだ。
松島中学校校歌

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