特集1 :生徒指導:行事で育てる高め合う生徒
神奈川県厚木市立玉川中学校

神奈川県厚木市立玉川中学校

1979(昭和54)年開校。緑豊かな自然に囲まれた校区には、大学などがあり、保護者の教育に対する意識は高い。「Be friendly」(みんな仲良く)を合い言葉に、一人ひとりが大切にされ輝ける、学校づくりを目指している。

校長●市川美紀子先生

生徒数●494名

学級数●15学級(うち特別支援学級2)

所在地●〒243-0125
神奈川県厚木市小野301-10

TEL●046-248-0329

FAX●046-248-0326

URL●http://www.edu.city.
atsugi.kanagawa.jp/
tamagawa-js/


三栖寛美

▲厚木市立玉川中学校

三栖寛美
Misu Hiromi
教務主任、英語科担当
岡田渉

▲厚木市立玉川中学校

岡田渉
Okada Wataru
ブロック活動担当、保健体育科担当
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
   PAGE 14/28 前ページ  次ページ

【学校事例2】 神奈川県厚木市立玉川中学校

3学年縦割りの活動で
認め合う心や責任感を育む

3学年縦割りの「ブロック」単位での活動を取り入れている厚木市立玉川中学校。
異年齢集団でのかかわり合いを通じて、お互いを思いやり、協力し合う心や、
リーダーシップを育てる取り組みを紹介する。

学校行事から掃除まで縦割りの「ブロック」で活動

 玉川中学校が行う「ブロック活動」とは、約500人の全校生徒を学年・学級に関係なく約40人ずつの12ブロックに分け、学校行事をはじめとするさまざまな活動に、ブロック単位で取り組むというものだ。必要に応じて、ブロックを更に小さな班に分けて活動することもある。
 例えば、6月の体育大会では、午前の部は学級対抗で、午後の部はブロック対抗で行う。このほか、月1回のブロック朝会、月2、3回のブロック帰りの会、月2回のブロック昼食、ブロックで育てる花壇など、その活動内容は多岐にわたる(図1)。放課後の清掃もブロックの班単位で行い、教室や階段、トイレなどの校内の各所を回り持ちで掃除する。
図1
 学習活動にも、ブロック活動が取り入れられている。「総合的な学習の時間(以下、総合学習)」で取り組む「郷土学習」(年間40時間)だ。創作太鼓の練習や郷土料理づくり、近くの川にホタルを呼び戻す活動など、1ブロック1テーマで、地域の協力を得ながら学ぶ。地域の人々との交流を通して生きる力を高めること、眠っている地域文化を生徒自身の手で掘り起こし、後世に伝えることがねらいで、ブロック活動の柱ともいえる取り組みだ。学習の成果は毎年10月末に行う「郷土学習発表会」で披露する(写真)。
写真
写真 毎年10月に行われる「郷土学習発表会」では、4月から各ブロックで調査法やまとめ方を検討し、学習を進めてきた成果を発表する。この日に向けて、リハーサルも重ね、発表の仕方も学ぶ
 同じく総合学習で行う「職場体験学習」も全学年が参加し、ブロックの班単位で行う。企画から訪問先への交渉、体験、発表まで、一貫して縦割り班で進めていく。
 教務主任の三栖寛美(みすひろみ)先生が、「本校は学級単位とブロック単位の二段構えです」と話すように、「学級」という横糸と「ブロック」という縦糸が交差した学校生活となっているのだ。

   PAGE 14/28 前ページ 次ページ