私の教師生活は30年以上になりました。苦しく、辛い時期もありましたが、教師を辞めようとは思いませんでした。教師ほど魅力あふれる職業、人に大きな影響を与える職業は、ほかにはないと思うからです。私自身、中学時代に教わった先生に大きな影響を受けました。教師になりたいという夢を持ったのも、教わった先生の影響です。自分にはこれしかない、そう思って教師を続けてきました。
「思い出づくり、夢づくり、そして人づくり」
これが今も昔も変わらない中学校教師の役割だと思います。中学校での3年間にはいろいろな思い出ができるでしょう。学校行事、部活動、そして授業で、さまざまな人とかかわり、それまでにしたことのない経験を積み重ねていきます。子どもは感動したり、喜び合ったり、困難を乗り越えたりしながら学んでいくのです。そうした一つひとつの思い出が鎖のようにつながり、夢が育まれるのではないでしょうか。
今の子どもは夢がない、とよくいわれます。私はそれが残念で仕方ありません。先生方には、子どもが夢や希望を持てるような、持ち続けられるような授業を心がけてほしいと願っています。それが、社会で活躍する自立した人づくりにつながるからです。
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