図5は、1981年に中学3年生を対象に行った調査から、高校入試に対する意識を抜粋したものである。この結果から、不安やプレッシャーを感じている中学生の意識がうかがえる。「自分は、全部不合格になるのではないかと心配でならないこと」が「ある(よく+ときどき)」の比率は71・3%、「受験なんかどうなってもよいと勉強のことを全部忘れたくなること」が66・7%である。
この調査では、中学3年生の11月段階での学習時間(平日)を尋ねているが、「1時間未満」7・5%、「1時間台」18・1%、「2時間台」32・5%、「3時間以上」41・9%と、かなり長い。それでも、「現在、自分としては精一杯勉強していると思っていますか」という問いに、66・2%が「怠けていると思う(やや+かなり+とても)」と回答している。
TOPIC1で述べたように、1980年前後は多くの子どもが長時間の勉強をしていたが、その背景に「受験が厳しい」という思いのほか、「努力は大切だ」「勉強することは大切だ」といった意識が現在よりも強くあった、と推察できる。
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