(1)「内容の扱い」に関しては、1997年調査では「教科書や指導要領の内容を、とにかく最後まで扱うこと」と「一通り終わりまでやれなくても、基本的な考え方を身につけさせること」が拮抗していたが、2007年調査では前者が20ポイント以上増えた。
(2)「学習のさせ方」に関しては、いずれの時点でも「自発的に学習する意欲や習慣を身につけさせること」が多いが、2007年調査では「たとえ強制してでも、とにかく学習させること」が増加している。
(3)「学力の伸ばし方」は、1997年調査では「得意な教科や領域の学力を伸ばすこと」が6割と多数派を占めていたが、2007年調査では「不得意な教科や領域の学力をつけさせること」が6割になった。
(4)「教師のかかわり」では、「子どもの持っている可能性が開花するのを、支援すること」に対する支持が減り、2007年調査では「一人前の大人になるために必要なことを教え、訓練すること」の方が多くなった。
全体的に、すべての教科・領域について、一定以上の学力を身に付けさせることを重視する傾向が強まっている。それは、生徒自身の自発的な意欲に任せるだけでなく、教師が強く働きかける必要性を感じるようになっている。こうした意識の変化は、「確かな学力」の育成が求められるようになったことが原因の一つになっていると考えられる。
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