記念特集 中学校教育のこれまでとこれから
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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世界一流の教師であるという自信を持ってほしい

 私は新聞記者時代から数えると、20以上の国々の教育について取材・調査をしてきました。各国の状況と比較しても、日本の教師は社会的な信頼度、教え方、熱心さのすべての面において世界一流だと認識しています。先生方には、大いに自信を持っていただきたいと思います。
 しかし社会の傾向として、医師や弁護士、そして教師らプロフェッショナルへの不信が広がっているように思います。任せられるプロがいるからこそ社会が成り立っているのに、不信感が悪循環を招いています。そうした状況の中で、教師への信頼を高めていくためには、学校や教育委員会が日頃から情報を発信して説明責任を果たし、不満や要望に耳を傾ける体制を更に充実すべきです。
 中学校教師にとって、仕事の中核は「授業」と「生徒理解」です。ところが、ここ十数年、学校や教師への期待と要求は増え続けています。多忙な業務を改善するには、教員数の改善や支援体制の充実など、行政レベルでの条件整備が欠かせません。
 同時に、校務の再構築など学校内で努力できることもあります。例えば、会議や出張を減らす工夫をする、会議には必ずたたき台や論点整理メモを用意する、新しい研修項目を一つ入れるなら従来の項目を一つ削る、といった取り組みはとても大事だと思います。
 社会の変化を受けて教育が変化し、それを最も早く敏感に感じるのは子どもたちです。歴史的転換期にある今こそ、中学生という大切な時期の学びをプロである教師が中心となって、社会全体で育んでいくことが求められています。

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