記念特集 中学校教育のこれまでとこれから
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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ベテランと若手が「伝え合える」関係を

 自分なりの世界観や教育観を考えるといっても、1人では限界があります。そこで求められるのが、二つめに挙げた「教師同士の自主的なつながり」です。
 私が行ったある調査では、若手教師ほど教員評価を望む傾向にあるという結果が出ました。これは、自分が頑張っていることをだれかに認めてもらいたい、という気持ちの表れではないでしょうか。校長などの管理職に評価されるだけでなく、教師同士が互いに認め合える関係を求めているのだと思います。
 教師も生徒も、みんな精一杯頑張っています。ただ今は、教師と教師、教師と生徒との関係が希薄になり、「個人化」しているのです。
 特に若手教師は、集団を少し煩わしく感じているのかもしれません。自分が好きなことにそれぞれ取り組んでよいという、個別化された文化の中で育ってきた世代だからです。学級や班といったあらかじめ決められた集団での行動は経験していますが、一人ひとりが手をつないで、自主的につながりをつくっていくという経験をしたことのない教師が増えているのです。
 先生方は授業や日常業務に忙しくて、互いに話す機会がなかなか持てないかもしれません。しかし、ベテランの先生方は、今までどのような思いを込めて教師を続けてきたのか、若い先生にもっと伝えていただきたいと思います。そして、若い先生方は、どのようにして教師同士が協力してきたのか、教育観を語り合ってきたのか、ベテランの先生の話に耳を傾けてください。そこから得られることが必ずあるはずです。

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