特集 移行期間の課題と対策
福岡県福岡市立梅林中学校

福岡県福岡市立梅林中学校

◎1969(昭和44)年開校。「勤労・友愛・創造・自律」の校訓の下、「梅中人権宣言」をまとめ、一人ひとりの個性が生きる学校づくりを目指す。2007年度から2年間、福岡市教育委員会の研究指定を受け、モジュール学習を導入するなど教育課程の改革に取り組んだ。

校長◎増川郁子先生
児童数◎377人
学級数◎15学級(うち特別支援学級2、院内学級1)
所在地◎〒814-0144 福岡市城南区梅林3-6-1
TEL◎092-871-4100
URL◎http://www.
fuku-c.ed.jp/schoolhp/jhumebys/

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
   PAGE 11/20 前ページ 次ページ

【学校事例1】教育課程編成の工夫

25分と75分の「モジュール学習」で
反復学習と実験の時間を確保

福岡県福岡市立梅林(うめばやし)中学校

座談会での指摘の通り、生徒の実態を踏まえた教育課程の編成が今後ますます重要となる。
福岡市立梅林中学校では、反復学習を中心とした25分授業と、
理科実験にじっくり取り組ませるための75分授業という、教科特性に合った授業時間を設定している。

学習と生活上の課題を総合的にとらえ直す

 福岡市郊外に位置する福岡市立梅林中学校の校区は、4年前に地下鉄が開通して開発が進む一方で、田畑も残る落ち着いた土地柄だ。ただ、共働き家庭が多く、朝食を食べなかったり、何となく夜更かししたりと、基本的な生活習慣が確立していない生徒が見られた。数年前まで生徒の学力は県平均に届くかどうかという水準で、二極化も進んでいた。
 そうした課題を抱えていた折、同校は2007年度から2年間、福岡市教育委員会の研究指定を受け、「学力向上を目指した特色ある教育課程の編成」に取り組むことになった。理科担当の三宅勝弘先生は、研究計画を立てる際に生徒の抱えている課題や地域性を再整理してみて、その状況に改めて驚いたと話す。
 「朝早く起きる、規則正しく食事を取るといった基本的な生活習慣が身に付いていない生徒が大半でした。まず生活習慣をきちんと付けさせ、学習に向かう環境を整えなければ、学力の向上は図れないと考えました」
 研究の柱は二つ掲げた。一つは、基礎・基本を身に付けさせるための反復学習などを重視した「モジュール学習」の導入。もう一つは、家庭や地域と連携して取り組む「家庭学習・生活習慣の改善・向上」だ。

取り組みの3つのポイント
数学と英語は25分授業でコマ数を増やして、反復学習で基礎学力の定着を図る
理科の実験は75分授業として、実験の時間を充実させ理解の定着と深化を目指す
「1ページノート」や「わんぷり」を用いて、毎日家で机に向かう習慣を付けさせる

   PAGE 11/20 前ページ 次ページ