特集 移行期間の課題と対策
嘉多山貴子

▲福岡市立梅林中学校

嘉多山貴子

Katayama Takako
英語科担当、3学年担任

三宅勝弘

▲福岡市立梅林中学校

三宅勝弘

Miyake katsuhiro
理科担当

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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25分授業を導入し数学・英語の頻度を増やす

 同校は、モジュール学習を2パターン設定した。一つは1年生の数学と英語。50分授業1コマ分を25分2コマに分割し、週3コマの授業を通年で週4コマに増やした。3年生担任の嘉多山貴子先生は、その理由をこう話す。
 「本校では、学習習慣の定着のため、以前からさまざまな手を打ってきました。しかし、家庭の協力も必要で、すぐに成果が表れるものではありません。そこで、思い切った方法で生徒に刺激を与え、学習に気持ちを向けさせようと考えました。前の授業で習ったことを次の授業では忘れてしまう生徒がいるため、週3コマの授業を週4コマに増やして授業の間隔を短くすれば、前の授業を覚えていて学習意欲が高まるのではないかという発想です」
 時間割は、1・2組、3・4組それぞれで数学と英語の25分授業を組み合わせた。前半25分を終えると、休み時間を取らずに数学と英語の教師が隣の教室と入れ替わる。
 「最初は生徒が騒々しくて落ち着きませんでしたが、1カ月もすると生徒も教師もこのスタイルに慣れ、普通の授業と同じように進められるようになりました」(嘉多山先生)
 25分授業では、数学は主に練習問題、英語は基本文や単語習得を目的にした反復学習に取り組む。25分という短時間で基礎の定着を徹底させられるよう、独自に「モジュールブック」というプリント集を作った図1)。

図1

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