理科の授業を75分としたのは、実験にかける時間を十分に確保するためだ。75分あれば、最初に説明、最後にまとめを入れても、30分程度は実験に専念できる。三宅先生は、実験を通して理科への関心を深めたいと話す。
「50分では、実験をしても結論が出る前に時間切れになってしまい、十分に理解できずに次に進むということがよくありました。しかし、75分あれば、何とか結論まで達することが出来ます。更に、実験の結論だけでなく、その結論にどのような意味があるのかも説明できる。生徒の意欲や達成感を高めるために重要な体験学習を充実させることが出来ました。生徒も『実験が楽しくなった』と言っています」
2年生の理科のモジュール学習は、通年ではなく、実験を主体にした化学分野の単元の時に75分授業を7回取り入れる。7回すべてを実験に充てるため、一つの単元の中で教える順序をモジュール学習に合わせて変えている。一方、25分授業では、小テストや原子の記号・化学式の反復学習、実験方法や薬品名など、実験で必要なことを学ぶ場としている。
「25分と短い時間で集中して学べるため、知識の定着度が高く、大きな効果がありました。実験の予備知識も身に付き、スムーズに実験に入れるようになりました」(三宅先生)
モジュール学習を1年間行い、課題も見えてきた。例えば理科では、2年生で行う実験に必要な実験器具の使い方を、1年生のうちに教えきれていなかった。そのため、2年生での実験がうまくいかないことがあった。そこで、08年度は指導する内容と時期の整合性が取れるよう大幅に見直した。
同校では、年5回の定期考査前の1週間は全学年で「モジュール週間」としている。1日50分6コマを、40分7コマとして、1日1コマ、週5コマ増えた分を5教科の授業に1コマずつ割り当てるという取り組みだ。保護者からは、モジュール学習で繰り返し勉強する機会が増えたと喜ばれているという。
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