編集部が行った読者モニターアンケートや取材等の結果に加えて、 ベネッセの各種調査データから、家庭学習とその指導に関する現状と課題を整理した。 併せて、主な家庭学習指導の方法を内容別に分類した。
小誌読者モニターへのアンケート結果(前ページ)から、家庭学習に関するさまざまな課題が浮かび上がってきた。最も多いのは家庭学習時間の短さだ。ベネッセ教育研究開発センターが行った全国的な調査でも、生徒(2年生)の約2割は家ではほとんど勉強していない、との結果が出ている。教師が指導している平均的な家庭学習時間「毎日90分」には程遠い状況だ。また「生徒によって家庭学習に取り組む姿勢に差が見られる」「受け身」など、学習意欲の問題を指摘する声も多かった。 こうした生徒の現状によるものと思われる指導上の悩みも多く挙げられた。例えば、「個別対応の時間が取れない」「授業の内容と連動させて家庭学習の効果を高めたいが難しい」「教科間で宿題の量や質を調整する必要がある」「家庭との連携が十分でない」などだ。
各校特有の状況がある中で、学校は家庭学習にどうかかわるか。生徒に必要な学力を身に付けさせるために何ができるだろうか。 下に、本特集で取材した4校の取り組みを分類した。学校行事として定着している取り組みから、教師が生徒一人ひとりに対応する指導まで、さまざまな形態がある。また、同じような内容でも、学校の状況に応じて指導方針や実施規模が異なるようだ。 これらの学校事例と、次ページからの研究者へのインタビューから、課題解決に向けたヒントを考える。
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