「家庭学習の手引き」を土台に据えつつも、実際の取り組みD(ドゥ)は手引きの内容にとどまらない幅広いものだ。学期に2、3回行う「学習オリエンテーション」もその一つだ。目的は、望ましい家庭学習の在り方を生徒と共通理解すること。4月最初のオリエンテーションでは、家庭学習をテーマに取り上げ、教師が生徒に向かって、「なぜ学ぶのか」「何を学ぶのか」と問い掛ける。研究主任の大場博典先生は、その意図を次のように説明する。
「授業で学んだことを補ったり深めたりする場として、家庭学習に自ら取り組むようになってほしい。そのためには、学ぶ意味をしっかり考えさせることが重要です。教師が一方的に話すのではなく、生徒と共に考える場になるよう、必ず対話形式で進めています」
例えば、前年度の3年生を送る会や授業の様子をスクリーンに映し出し、全国学力・学習状況調査の結果を紹介する。08年度には、約90%の生徒の学習意欲が前年度よりも高まったことを示した。生徒の自信につながる事実を積み上げ、向上心や自己有用感を感じさせるためだ。更に、調査結果を利用し、どのような生徒が学力調査の正答率が高かったのか、括弧内を埋めるクイズを出した。
A 学習時間の(長い)人
B 家で(計画)を立てて勉強している人
C 家で授業の(予習・復習)をしている人
実施日は、年間計画に組み込まれていない。大場先生がタイミングを見計らい、学校裁量の時間を使ったり、6時間目終了後の20分間程度を使ったりしている。
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