中学生になると、小学校時代よりも保護者の関与が少なくなり、学校や友だち、一人で過ごす時間が増える。「自律」が求められる年齢にあって、時間を計画的に使えるようになることは、「自立」に向けた第一歩となる。
中学生は、部活動や宿題など、授業が終わっても学校関係のことに時間を費やしている(【3】、【4】)。家に帰ってから寝るまでの限られた時間の中で、家族との会話や趣味など、完全に自分が好きに使える時間をやりくりする必要がある。実際に「もっとゆっくり過ごしたい」「忙しい」と感じる生徒は多い(【1】)。ただし、多忙感を抱いていても、「毎日が楽しい」「充実している」と感じることが大切だ。そのためにも、目的意識を持って毎日を過ごすように意識付けることが、自律した生活を送る手助けになるだろう。
また、1日の過ごし方や時間に対する意識には、学年によって特徴がある。1年生は、小学校との違いに戸惑う時期だ。小学校時代よりも宿題が増え、部活動が始まる影響で、自分で使える時間が極端に減る。2年生は、学校生活に慣れてくるが、中だるみをしやすい。1年生と1日の学習時間は変わらないが、メディアの利用時間は20分以上増えている。3年生になると、高校受験に向けての家庭学習が更に重要となり、それまで部活動に費やしていた時間の使い方にも自主性が求められる。このように、学年ごとに生活スタイルは変わるものであり、それぞれの課題を踏まえた支援が必要だろう。
2012年に全面実施となる新学習指導要領では、授業時数も学習内容も増える。宿題の量や部活動の時間帯などにも影響すると予想される。放課後の過ごし方は学校だけで指導しきれるものではないが、更に多忙になりそうな生徒たちが放課後の時間を有意義に過ごせるよう、学校や家庭・地域の支援がますます重要になるのではないだろうか。
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