ここ数年は、体力づくりの成果を発表する場を設けようと、地域の老人ホームや保育所を訪問してゲームや体操を一緒に楽しんだり、地域の祭りに参加して運動朝会の様子を発表したり、町の行事である駅伝大会に参加したりするなど、地域交流にも力を入れている。
過疎化が進む同校の地域では、若者が少ないため、中学生が中心になって地域を活性化しようという目的もある。そのためにも、教師は生徒たちの活力をしっかりと育てる必要性を改めて感じているという。
「地域とかかわりを持つことで、年長者への敬意や、年少者に対する思いやりの心も育てられます。また、これまでの取り組みの成果を学校外の地域の人々に見てもらうことで、更に体力づくりに向けての意欲を高めていけると思うのです」(河野校長)
体力づくりの基盤になる当たり前の生活規律を身に付けさせることで、生徒の心と体を育んできた豊栄中学校。体力向上の取り組みだけでなく、生徒の達成感や自己肯定感を大切にするきめ細やかな配慮や、モチベーションの維持の工夫は、体力づくりに取り組む多くの学校のヒントになるだろう。 |