特集 新課程対応─時数確保のひと工夫
北海道札幌市立宮の森中学校

北海道札幌市立宮の森中学校

◎1986(昭和61)年開校。大倉山ジャンプ競技場近くの緑豊かな住宅街に位置する。「自ら立ち ともに生きることを学び 明日を志す生徒」を教育目標に掲げる。職員室に文書カウンターやコミュニティスペースを設ける等、斬新な取り組みを続けている。

校長◎日下部憲一先生
生徒数◎349人
学級数◎12学級(1年生4、2年生3、3年生3、特別支援学級2)
教職員数◎校長1人、教頭1人、教諭22人、講師0人、職員等5人
所在地◎〒064-0951 北海道札幌市中央区宮の森1条16丁目5-1
TEL◎011-612-1147
URL◎http://www.
miyanomori-j.sapporo-c.ed.jp/

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
   PAGE 4/30 前ページ 次ページ

【学校事例1】

会議の運営方法を見直し
職員会議を1時間短縮

北海道札幌市立宮の森中学校

授業の質向上と生徒と向き合う時間の確保を目的として、校務の効率化を進める札幌市立宮の森中学校。
新学習指導要領への対応で多忙化は一層進んでいるが、教師同士の連携が強化され、前向きに取り組む雰囲気が生まれている。

学級・教員数減により多忙化に拍車

 札幌市立宮の森中学校は、札幌市内の閑静な住宅街にある。生徒は落ち着いて毎日を過ごしており、学力面でも大きな課題は見られない。保護者は学校に対する支援に積極的で、教育への関心が高い土地柄である。
 学校運営の面では、数年前から課題を抱えてきた。少子化による学級減・教員減の影響で、教師一人が受け持つ業務が増え、残業が常態化していた。
 研究担当の鈴木康裕先生は、「以前は教師が手を差し伸べ合っていた業務でも、相互に気配りや目配りすることが難しくなっていきました。その結果、いつの間にか『大切なもの』がこぼれ落ちてしまっていることに気付いたのです」と振り返る。「大切なもの」とは、23年前の開校当初にあふれていた「新しい学校をつくろう」という教職員の気概や、蓄積してきた学校の伝統や不文律、生徒指導の手法、教師同士の思いやりといったことだという。
 「この数年間は、開校以来蓄積してきたノウハウを継承し、かつ、ICTの進展をはじめとする環境変化に対応するにはどうすればよいかを考える時期にありました」(鈴木先生)
 そうした課題を抱えていたところに、学習指導要領の改訂が重なった。
 同校は、生徒の体験学習の機会を確保し、保護者の期待に応えるために、行事を減らしてはいない。また、合唱大会向けの練習や朝読書の時間を授業時数に計上しない方針をとっている。このため、教師の多忙化が加速し、授業時数の確保も非常に難しい状況にある。時数増となる教科を中心に、担当教科による持ち時間の格差をいかに少なくするかも問題となっていた。

▼クリックすると拡大します

2010(平成22)年度の教育課程(予定)
図:2009(平成21)年度の時間割 1年1組の例

   PAGE 4/30 前ページ 次ページ