特集 新課程対応─時数確保のひと工夫

VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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教育課程編成・運用、時数確保の工夫

[1]会議の効率化で、生徒と接する時間を増やす

定例会議の運営方法を変更

 P.5で紹介したプロジェクトの目玉が、会議時間の短縮だ。検討の結果、職員会議、学年会、校務部会、研修部会の四つの定例会議の運営方法を変更した。もちろん、09年度も継続している。
◎会議の流れ――職員会議(年間10~12回)を例に
(1)議題を事前に掲示(会議の約1週間前まで)
 次回の職員会議で提案したい議題がある教師は、通し番号「ゼロ番」から始まる資料を作成。ゼロ番には、何をどう変えたいのかなど、会議出席者に考えて欲しいポイントを端的に分かりやすく示しておく()。
 資料は、職員室の専用掲示板に張り出す(写真1)。他の教師は、各自それを見て、付箋(ふせん)やマーカーペンなどで意見や疑問点などを掲示版に追加する。提案者が提示した案に対して、付箋で「事前投票」することもある。提案者は、あらかじめ出席者の意見や疑問点を把握して論点を絞り込むことが出来るため、会議時間が短縮される。出席者は、会議の内容を事前に把握しておくことで、会議当日は積極的な態度で臨むことが出来る。

図:職員会議の資料例
写真1
写真1 職員室の掲示板。校務分掌ごとに掲示スペースが決まっている。会議の議題は中央部に張り出される

(2)意見を集約し議題を調整(会議の1週間前)
 主任で構成される運営委員会で、(1)で出た意見を踏まえて会議当日の議題を絞り込む。議題が決まったら、提案者は必要に応じて付箋の内容を反映させるなど資料を練り直す。
(3)会議は職員室では行わない(会議当日)
 会議は職員室ではなく、会議室の机をロの字型にして行う(写真2)。参加者同士の顔が見え、他業務の書類が置かれていない環境で行うことで、全員が会議に集中できる。
 こうした工夫の結果、かつて2時間以上かかっていた職員会議が、今では1時間に短縮された。その結果、生徒と接する時間を大幅に増やすことが出来た。更に、会議時間の長短によって検討結果の質が左右されることも無くなったという。

写真2
写真2 職員会議は、会議室で顔を見合わせて行う

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