特集 新課程対応─時数確保のひと工夫
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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[2]総合学習を中心に、時数枠を多めに確保

「ゆるい運用」で3年後に向けた準備を

 09年度は週29コマとし、朝の帯時間を加え、実質30コマの枠を確保。増加分は総合学習に充てた。そのねらいを諏訪部校長はこう話す。
 「一つは、時数という外枠に3年かけて生徒も教師も慣れるためです。教科の時数をいきなり増やすと生徒の心理的負担は大きく、教師の持ち時間数の点でも負荷が大きいからです。もう一つは、教育の質の維持に対する配慮です。新教育課程では固定された教科中心の内容になり、学校独自の週時程を組める枠が縮小されますが、標準時数だけでは足りない大切な教育活動もあります。行事の準備や学級活動、読書などがその一例です。本校は30コマと多めの枠でそれらの時間を確保し、意図的に『ゆるい運用』をしながら、3年間で教科・領域の内容と併せて整理する予定です」
 総合学習は、人権・福祉、伝統文化、キャリア教育などを柱に、事前・事後学習を含めた行事が中心だ。職場体験活動などはまとめ取りするが、多めに確保した時数分は「もう少し時間をかけて指導したい」など、その時々の学年からの要請で使う。教務主任の畑和夫先生は「本来は予め時数を配分できればよいのですが、現在は試行錯誤の段階。あと1、2年たてば見通しが立つと思います」と語る。
 3年生では、9月からの授業時数を更に1時間増やした。部活動引退後、受験に向け学習習慣を身に付けさせると共に、受験などの関係で減りがちな授業時数を確保するためだ。


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