同校の時数増への対応は、校務の精選や効率化などに加え、教師一人ひとりの熱意と協力態勢によるところが大きい。同校は非常勤講師が多く、時間割を固定制としているため、細かな時間割の調整が欠かせない。
畑先生は、「教務部で作成した時間割に不都合が生じた時、例えば急な出張等が入った先生は、他の先生と相談して自主的に授業を交替するなど調整をしてくれます。教務担当者はそれ以外の業務に専念でき、助かっています。教師同士のコミュニケーションが密だからこそ出来るのだと思います」と話す。
こうした背景には、「管理職が率先して行動で示すことで、教師はついてくる。それが良い方向であれば、生徒も望ましい姿になる」という校長の考えがある。例えば、毎朝、教師が校門で生徒に声を掛けるあいさつ運動は、生徒指導部会の呼び掛けに校長が率先して応える形で校門に立ち、次第に教師も協力するようになった。開始当初は照れていた生徒も、やがて自然にあいさつを返すようになった。校長が敷地内のゴミ拾いをするようになると、ゴミを捨てる生徒も激減し、部活動等でもゴミ拾いをしてくれるようになったという。
こういった意識は教師にとどまらず、用務員、事務職員らにも伝わっている。全教職員が学校教育に積極的にかかわり、生徒にとってよりよい環境をつくり、維持しようとする努力が、学校全体を明るく前向きな雰囲気にしている。 |