取り組み2年目の07年度には、教師が公開授業に慣れてきたところで、年2回の研究授業を始めた。公開授業とは明確に役割を分け、学校としての「理想の授業」の追究や、教師の意識の共有を目的として、毎年、共通テーマを設定して進めている。
毎回一人が授業を担当し、教師全員が参観。事前に指導案を作成し、授業後は1時間の事後研修を行う。授業者は若手教師が選ばれることが多い。普段は5限目で終了する月曜日の6限目に当たる時間に実施し、授業を受ける生徒以外は帰宅させる。
事後研修では、教科の枠を超えて実りのある議論をするため、授業の善し悪しではなく、共通テーマに沿って、各教科に生かせることを中心に話し合う。そして、毎回必ず、大学教授や指導主事ら外部講師を招く。
「校内だけでは、発言に大差がなく、同じレベルの議論に終始しがちです。外部の専門家に参加してもらうことで、自分たちで気付かない視点からアドバイスを受けられ、レベルアップを図れます」(大西校長)
研究テーマは、毎年、前年度の反省や子どもの実態を踏まえて決定する。09年度のテーマは、生徒の学習意欲の向上を目的とした「発問・助言・板書のあり方」だ。07年度から学習意欲に関する研究を進めるうちに、このテーマにたどり着いた。
「研究が深まり、テーマを具体的に絞り込むことが出来ました。基本を改めて見直すという気持ちで研究に取り組んでいます」(大西校長)
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