特集 研究授業を活性化させる!
VIEW21[中学版] ともに語る、考える。ベネッセの教育情報誌
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高楯中学校の研究授業の工夫

[1]研究テーマは教師全員で話し合って決める

研究主題に沿い各自の研究テーマを設定

 楯中学校では毎年2月に、教師全員参加による研究総括会を開く。ここでは、1年間の研究を振り返ると共に、生徒の成長や課題を報告し、次年度の研究テーマを皆で話し合って決める。08年度の総括会では、09年度の研究テーマを「豊かな表現力・発表力の向上をめざして」とした。
 「本校は全教師20人足らずの小さな学校です。教科の垣根を取り払い、皆で生徒を育てていくという意識を持つためにも、会議では何らかの形で全員から意見を出してもらっています。その過程こそが、多忙な中でもしっかり研究授業に取り組もうという前向きな姿勢につながっていると思います」(堀川先生)
 年度当初の4月には、教師全員でワークショップを開催。「本校の生徒に足りないもの」を一人ずつ付せんに書いてもらい、KJ法()を用いてグルーピングをして課題を洗い出す。年度末に決めた研究テーマを再確認すると共に、新たに赴任した教師に、少しでも早く学校の実態をつかんでもらうためだ。
 次に、研究主題に沿って教科ごとに目指す生徒像を共有した上で、各教科の研究テーマを決定。それを基に教師一人ひとりが「一人一研究」として研究の内容を決める。軸となるものが明確であり、かつ、その決定に自分も参加しているため、教科特性を生かして生徒の課題にアプローチできる研究テーマを無理なく設定することが可能だ。

*あるテーマについての課題やアイデアを紙に書き出して整理する、情報収集や課題解決のための手法

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