多忙なあまり、指導案検討会への足取りが重くなる教師もいる。ところが、始まると教師の発言が飛び交って盛り上がり、1時間の予定が1時間半、2時間と延長されることがよくあるという。
「毎回、一歩踏み出すまでが大変です。しかし、始めてしまえば、『これが私たちの仕事なんだ』と思え、何も発言しない教師はいません。他教科のことですから心理的に楽な面もあり、皆が思ったことを率直に言っています。『楽しかった』『充実感があった』という経験は、子どもにとってだけでなく教師にとっても大事だと思います」(湯浅先生)
金谷啓司校長は、指導案作りの別の効果として、教科の枠を超えた共同作業によって同僚としての意識が高まったと評価する。
「指導案検討会では、先生方が互いを認め合い、意見に耳を傾け合っている場面を何度も目にしました。自分で思い描いたような授業が出来ていない先生もいますが、そうした先生も発言しています。指導案検討会での共同作業を通して、皆で良い学校をつくっていこうという意識が着実に高まっているように感じます」
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