教科別・指導方法案
「入口」と「出口」、3年間を見通した、
綿密な指導計画を
「今までは大学入試という『出口』を見据えての発想が強かったが、今後は高校入学という『入口』も強く意識して指導計画を立てていきたい」「中学校までの学習内容の把握」「指導内容の精選」「学習習慣の定着を図る」など、新課程において教科指導はさらなる工夫が迫られている。各教科の先生方が今、どのような問題意識を持っているかについて、アンケートの内容を通じて整理してみた。多くの示唆に富んだ意見は、今後、具体的な計画立案の指針となるだろう。
*文章中の( )内は、お答えいただいた先生の都道府県と教科名となります。
■国 語■
読書習慣が欠如した生徒を意識して指導内容の見直しを
寄せられた意見を概観すると、(1)「話すこと・聞くこと」の指導、(2)読書指導の2点に先生方の関心は集まっている(前者には今後への期待、後者には現状に対する危機感を強く感じる)。
(1)は、新学習指導要領で『話す・聞く』の領域が重視されたことを受けている。「これをどう授業に導入していくかがカギ」(岐阜)と、非常に期待が高い。
「生徒の興味・関心の喚起に、話す・聞くの領域の導入を生かしたい」(長崎)
「従来のペーパー上の指導に陥ってはいけない」(茨城)
このように、積極的に取り組む姿勢を表す声も多く、「生徒が主張・発表・討論する場を積極的に設ける」(茨城)などの対応が寄せられた。
(2)は、生徒の読書量の減少に対する強い危機感の表れだろう。
「読書の習慣が欠如した生徒に対して、その実態に合わせた読書指導が必要である」(大分)
「読書指導を重視した学校づくりが必要。図書館活動の充実と共に、国語科だけでなく全校を挙げての読書指導が求められる」(青森)
「生徒の活字離れは深刻。特に論理の流れを追って文全体の内容を把握する力が弱い。読解・要約指導をきめ細かく行いたい」(大阪)
ただし、具体的な取り組みはいずれもこれからのようだ。指導内容の精選が求められる今、それぞれの言語領域をいかにバランスよく指導していくかがポイントとなる。そして、指導内容の見直しは、教科としてのまとまった取り組みとして行う必要があるだろう。
『総合的な学習の時間』を用いた論文学習
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『総合的な学習の時間』の一環として“進級論文”を課す。1年次はボランティア体験学習、2年次は企業・研究所訪問を生徒主体の活動として行い、3年進級時に自分の進路・生き方について進級論文という形で一人ひとりにまとめさせる。正しいレポートの書き方を学び、公的な場で発表する機会を多く設けることで、自分の意見を論理的に述べられる言語能力を養う。現在、この活動ためのオリジナルテキストを作成中。“論文学習推進プロジェクトチーム”を校内に作り、良質な評論文や新聞のコラム、社説をあらゆる分野からピックアップしている。(群馬)
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