「模試の始まる前の
休み時間は、机に座って集中力を高めています。ただ模試をダラダラ受けても意味はないので、一つひとつの模試を大切にした方がいいと思います。もちろん見直しも重要です。私は見直し用のノートを作っています」(3年生・女子)
「野球部を引退するまでは一日が野球に始まり野球に終わる毎日でした。遅れを取り返すため、引退後の夏休みは机の前にずっと座って勉強しました。進学に関しては絶対妥協したくないと思い、頑張っています」(3年生・男子)
11月17日に行われた'00年度の「進路座談会」で、3年生は自分なりの受験勉強法、2年生のうちにやっておけばよかったと思うことなどを自分の言葉で話していった。そして、その6人の3年生の前には、話し手の顔を見つめて熱心に話に聞き入っている2年生の姿があった。
「自分の志望大を2年生の前で明言できると言う生徒には、志望大を言ってもらいます。最初の座談会では全員が言ってくれてびっくりしました。具体的な大学名が本人の口から出るとインパクトがあるようで、2年生も集中して聞いています。志望大を明言することで、3年生も自分の気持ちを引き締めているようです」
3年前の「進路座談会」で司会を務めた竹林和美先生はこのように語る。
「弓道部に所属していて、土日が潰れてしまい勉強ができないことも多いんです。でも、先輩の話を聞いて部活も勉強も最後まで頑張って両立しようと思いました」(2年生・女子)
「最近、模試の見直しがきちんとできていなかったので、弱点を潰すためにも、見直しをしようと思いました。それと、週に2回の小テストもしっかりやって、確実に自分のものとしていきたいです」(2年生・女子)
2年生の生徒たちは、先輩の話から様々な気付きを得たようだ。「先輩から直接聞いたせいか、先生の話よりも身近に感じられた」と話した生徒もいた。実は3年生が話す内容は、普段教師が2年生に言っていることとそう変わらない。しかし、その内容の重要性を今まさに実感している3年生の言葉には、よりリアリティが感じられるようだ。だから、2年生は3年生の話に重みを感じているのだろう。
「『自分も去年の今頃、先輩の話をきっかけに頑張り始めた』と聞いて、僕もこれから頑張ろうという気になりました」(2年生・男子)
「2年生は1学期の修学旅行、2学期の運動会と、一連の行事を終えた11月のこの時期、どうしても気が緩みがちなんです。ただ本校の生徒は、中間・期末考査や模試が続き、3学期が終わればもう3年生という今、『このままではまずい』という気持ちは持っているんです。そんなときに受験を間近に控えた3年生の話を聞くことで、『よし、これから頑張ろう』と気持ちを引き締めるきっかけをつかんでほしいと思っています」(大内先生)
2年次に少しでも早く受験への意識付けを行いたいというのが、教師の共通の思いであろう。「進路座談会」はその一つのきっかけになっているという。
まだある参考にしたい取り組み
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模試の自己採点
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模試の受けっ放しを防止し自己採点を習慣化させるため、1年次1学期から模試終了後20分程度、解答解説を見ながら自己採点を行う時間を設けている。自分の解答を覚えているうちに見直すことができるので、成績票の返される1か月後に偏差値や点数を確認して終わりではなく、自分はどこが理解できていなかったのかをしっかり把握できる。最初のうちは、記述模試では部分点を適切に採点できず、自己採点の結果と実際の点数が一致しない生徒が多いという。しかし慣れるにつれ、生徒は自分の解答がなぜ減点されるのかが分かるようになる。
自己採点結果は「模試自己採点表」に記入、提出させる。約1か月後に成績票と一緒に返却され、生徒は実際の点数と自己採点結果を比べ、その原因を考える。1年次から実施しているため自己採点が習慣化され、2年次には特に教師の指導がなくても生徒は自発的に自己採点するようになるという。
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進路座談会事前アンケート結果(抜粋)
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1 どのような先輩から話を聞きたいか
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・部活動と勉強を両立させた先輩(多数)
・2年生の時から努力して成績を上げていった先輩
・苦手科目を克服した先輩
・医歯薬などの医療系学部希望の先輩
・工学部志望の先輩
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2 先輩にどのような話をしてもらいたいか
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・部活動と勉強を両立させた先輩(多数)
・いつ頃から受験を意識し始めたか。また、いつ頃進路を決定したか
・3年生になるまでにやっておけばよかったと思うこと
・やる気を起こすにはどうすればよいか
・集中力を付けるにはどうすればよいか
・苦手科目をどのように克服したらよいか
・塾に行った方がいいのか。また、いい参考書を紹介してほしい
・いつ頃から理科、地歴・公民の勉強を始めたか
・現在の心境は
・医歯薬学部を受験する場合、特別な勉強をする必要があるか
・部活動引退後の勉強法を教えてほしい。また、引退後どのように生活が変わったか
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