VIEW21 2001.06  クラス運営・進路学習のためのVIEW'S method
 模試を活用した指導

■part 1■ 計画の立案
3年間の指導の中で目的や位置付けを明確にする

 模試は形式の違いだけではなく、実施する目的にもいろいろな違いがある。模試を受験対策のためだけに実施していると捉えずに、模試の位置付けを学年ごと・時期ごとの目標とリンクさせて明確にした上で、3年間の指導の中に組み込んだ実施計画を立てていきたい。学年団や進路指導部などで、各時期の進路指導や授業の進度、学校行事などを考慮した上で適切な時期に、適切な模試を決めるとよいだろう。
 学習指導や受験指導に活かすためには、模試結果を学校独自に集計することで、学校全体のデータや、生徒個々の3年間のデータを蓄積していくことが必要だ。同じ種類の模試を継続して受験させる、1年から3年まで継続して受験させるなど、安定してデータが集まるよう計画を立てたい。
 生徒への学習指導では、偏差値や点数だけで「できた、できなかった」と判断するのではなく、生徒の学力を3年間でどう向上させていくかという視点で結果を見ることが必要だろう。重要なのは一時的な成績ではなく、教科・分野ごとの結果を分析して課題を発見し、弱点を今後どう克服させるかなのだ。
 模試の出題範囲と授業の進度にズレがある場合は、指導していない分野からの出題も考えられる。教科ごとに問題の既習・未習の確認を学年全体で行う必要がある。このステップを踏まないと、未習のための成績結果を教師でさえ「学年全体の偏差値がこれでは厳しい。大丈夫だろうか」と錯覚してしまう。教科相互で情報交換しておけば、そういった不安が解消できる。

模試実施計画例

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