VIEW21 2001.09  特集 国際化を視野に入れた進路観の養成

Report
岡山県立邑久高校・海外修学旅行

海外での異文化体験を生徒はどう受け止めたのか

 人との出会いを重視した邑久高校の海外修学旅行。生徒たちは何を見て、何を感じてきたのだろうか。国際理解セミナー、企業・学校訪問研修、そして班別自主研修の模様を同行した藤原先生のコメントを交えながら紹介する。

実  施/ 6月25日~6月29日
訪 問 国/ シンガポール、マレーシア
主な行程/ 6月25日 日本出発 シンガポール着
6月26日 マレーシア観光 国際理解セミナー(午後7時より)
6月27日 企業・学校訪問研修(午前) 班別自主研修(午後)
6月28日 シンガポール観光
6月29日 シンガポール出国 日本到着

6月26日
国際理解セミナー

 海外修学旅行2日目の午後7時、シンガポール滞在中の宿舎であるホテルの会議室で国際理解セミナーがスタートした。生徒たちは午前中からのマレーシア観光を終えてちょうど夕食を済ませたばかりだ。
 生徒の代表である修学旅行委員会の司会進行に従って、最初の講師である邦人向けクリニック勤務の看護婦の講演が始まる。講師は、看護婦になった理由、シンガポールで働くことになったきっかけ、日本の生活との違いなどを40分に渡って話した。
 引き続いて、JETRO職員の講演が始まる。シンガポールの政治や教育、歴史など国の概要、そしてアジアにおけるシンガポールの役割などをやはり40分に渡って説明した。
 講師の話が終わると、ここでも修学旅行委員会の生徒が司会となり、質疑応答が始まる。生徒から「シンガポールの生活で困ったことは?」「海外の生活で楽しいことは?」「自分たちの中にも、将来海外で働く人がいると思うが、今回の海外修学旅行でどんなことを学んで帰るべきか?」といった質問が出された。

【生徒の感想】
・シンガポール人は、例えば職場の上司に対しても自己主張をしっかりするなど、日本人と外国人ではものの考え方や気質などが違うということが実感できた。
・講演をしてくださったお二人は、自分の仕事に誇りを持っていると思った。自分も将来どの国で働くにしても、仕事に対する情熱を持てるようになりたいと思った。


【藤原先生】
 生徒には、事前にどんなことを聞いてみたいか、質問を考えておくように言っていました。ただ、私が思っていた以上に、生徒は初めて会う人の話を関心を持って聞いて、自分なりに講師のメッセージを受け止めることができたようです。

写真
海外で働く日本人から「働くこと」とは何かを学ぶ。

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