VIEW21 2001.09  特集 国際化を視野に入れた進路観の養成

事例研究2

東京都 東京女学館中学校・高校

多様な生き方に触れ自分の将来を考えさせるアメリカ文化研修

東京都 東京女学館中学校・高校
1888年(明治21年)創立。6年一貫教育の女子校。生徒数は中学校約850名、高校約860名。「高い品性を備え、人と社会に貢献する女性の育成」を教育目標に掲げる。'01年度入試では、東京大1名、一橋大2名など、国公立大に14名合格。私立大は慶応大19名、早稲田大16名、青山学院大24名をはじめ多数の合格者が輩出。環境教育、情報教育、ボランティア活動にも全校を挙げて積極的に取り組む。
住所/東京都渋谷区広尾3-7-16 電話/03(3400)0861


アメリカで女性としての多様な生き方に触れる

 東京女学館中学校・高校は、夏期休暇を利用し、希望者を対象とした海外文化研修を実施している。主に高校1年生の生徒が参加し、アメリカで約3週間、東南アジア(タイ・マレーシア)で約2週間の研修旅行が行われている。
 「本校の海外研修は、異文化を持つ者同士が出会い、お互いに理解していくプロセスを体験する場です」と、同校の「異文化相互理解教育センター」の室長を務め、英語科教諭として教壇にも立つ吉澤則雄先生は語る。
 アメリカ文化研修は、オレゴン州の州都セーラムにあるTIUA(東京国際大学アメリカ校)の寮を主な宿舎にして生徒は様々な研修に臨むが、そこで重視されているのが、単なる語学研修に終わらない体験型の異文化理解教育である。
 「研修の主な内容は、現地の教師によるアメリカの制度や習慣についての英語によるレクチャー、市長や弁護士など社会の第一線で活躍している女性たちによる講演などです。また、若くして子どもを産んだ母親たちが、子育てをしながら教育を受けられるように支援するデイケアセンターなど、アメリカ社会ならではの施設も訪問します。いずれも、アメリカ女性の多様な生き方を目の当たりにすることで、生徒自身に女性として、母親として、そして一人の人間としてどう生き、働くのかを考えさせるのが目的です」(吉澤先生)


写真 福原孝明 写真 吉澤則雄
東京女学館中学校・高校教頭
福原孝明
Fukuhara Takaaki
教職歴27年。「学校を、生徒が主体的に、楽しく学習に取り組める場とするために汗を流したいです」
東京女学館中学校・高校教諭
吉澤則雄
Yoshizawa Norio
教職歴24年。「我が子のつもりで生徒を見つめ、優しさと厳しさを持って全力で向き合います」

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