■part 2■ 冬休み
できるだけ学校に来させて精神面のフォローをする
冬休みは生徒の心が揺れがちな時期である。自宅に一人でいると、勉強が思うようにはかどらないことで、入試に対してどんどん不安や焦りを感じていく危険性がある。学校で友達や教師の顔を見て安心するという一点だけでも、冬休み中、生徒が学校へ足を運ぶ意義は大きい。「心配するな。不安な気持ちはみんな同じなんだよ」「勉強は一つひとつ確実にこなしていけば大丈夫だ」と励まし、安心させる。学校に来させていれば、生徒一人ひとりの表情を見て対応することもできる。
補習などを行わない学校の場合、自宅での勉強が中心になる。学習面で完璧主義に陥った生徒が自分を追い詰めることのないようにアドバイスしておきたい。「完全な入試対策をした人間は一人もいない。それでも試験には受かる」と、良い意味での開き直りの気持ちを持たせるようにする。なお、自宅で勉強していると生活のリズムが乱れがちになる。夜早めに寝て、朝きちんと起きる朝型を実行する方が効率的であり、センター試験本番でも実力が発揮できることを理解させておく。また、睡眠不足や風邪にも注意させる。
学習面では、焦りから新しい問題集や難しい問題に手を出す生徒もいるが、それよりも教科書やそれまでやってきた志望校の入試問題集をおさらいして定着させた方がはるかに効果的であることを理解させる。
センター試験会場の下見も、冬休み中にはさせておきたい。試験当日に会場まで利用する交通機関のダイヤなども確認が必要である。
■part 3■ 冬休み明け~センター試験前日
時間配分を意識させて演習問題に取り組ませる
冬休みが終わると、センター試験は目の前である。生徒が登校する日数となると実質的には1週間程度しかない。
この時期にセンター試験の演習を行う場合、生徒にはセンター試験本番を意識させ、制限時間内で解答させるように徹底したい。
その場合、問題を解くときは、時間配分を考えて、自分が答えやすい問題から取り掛かる習慣を身に付けさせる。第1問から順番通りに解くと、途中の問題で引っ掛かって最後の問題まで行き着けない危険があることを説明し、まず問題全体を見渡して、解く順番を決める癖を付けさせる。このとき、注意しなければならないのが、マークのズレだ。マークの位置が一つでもズレると大変なことになる。マークするときには、必ず解答番号を確認することを習慣にさせたい。
自宅での勉強は、冬休みに取り組んできた学習を続けるのが基本だ。この時期になると、地歴や公民、理科の勉強に偏る生徒が出てくる。しかし、国、数、英は継続した学習が必要な教科であり、毎日相応の学習時間を確保するよう指導しておきたい。
本番直前には、それまでのノート、暗記カードなどを総点検させる。ノートやカードを目の前に積むことで、自分はこれだけやったんだという自信と安心感を持つことができる。不安になっている生徒には、学習の軌跡を振り返らせ、夏休み前には解けなかった問題が解けるようになったなど進歩の跡を感じさせ、自信を持たせるようにする。
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