VIEW21 2001.12  クラス運営・進路学習のためのVIEW'S method
 大学入試の直前指導

■part 4■ センター試験当日
結果を気にさせず目の前の試験に集中させる

 生徒は、センター試験での自分の目標点を設定している。とは言え、試験中に目標点を意識し過ぎることは、かえって弊害となる。例えば、英語で目標点を20点ほど下回ったと生徒が感じたとする。しかし、その年の英語の平均点が例年より20点以上低かったとしたら、その生徒は本当は善戦していることになる。
 目標点にあまりこだわり過ぎると、それが焦りにつながってしまいかねない。その結果「英語のマイナス分を他の科目で取り返さなければ……」と力んでしまって、後の科目でもかえって力が発揮できなくなることもある。
 いざ本番が始まったら自分が設定した目標点は意識せず、まずは目の前の試験に集中して取り組むよう、生徒には事前によく言い聞かせておきたい。例え失敗したと思ってもいつまでもくよくよ悩まず、気持ちを切り替えて次の科目に臨ませる。また、同じ理由で、1日目終了時にはその振り返りをするのではなく、2日目に向けて集中すべきであることを理解させておきたい。
 センター試験では、4教科の受験勉強しかしていなくても、理科や公民を受けておけば、出願できる大学の幅が広がる。普段の授業をきちんと聞いていれば、予想外に得点が取れることもある。選択肢を増やすためにも、できるだけ多くの科目を受けることを勧めたい。
 なお、試験当日は、悪天候などによる万が一の電車の遅れなどを考慮して、時間的な余裕を持って家を出るように言っておく。

■part 5■ センター試験翌日
自己採点の結果で安易に志望校を変えさせない

 センター試験後の自己採点は適切な出願のための重要な判断材料となるため、採点ミスに注意し、誤差を最小限にとどめさせる。合格可能性判定のために記入する大学名は、結果がよかったからと難関大ばかり並べたり、悪かったからと今まで考えてもいなかった大学ばかり記入しては、今までの「選択」の積み重ねを無にすることになる。少なくとも決めていた志望校を含めて書くよう言っておきたい。
 学習面では、志望大の入試問題集を中心に個別試験対策を行わせる。最低過去5年分は解いて、完璧に理解できるまでにしておく。また、センター試験がマーク式のため、生徒は文章で解答する勉強から遠ざかっているので、文系・理系を問わず文章で解答する練習は必要だ。数学でも一つの大問について解答用紙1枚を使って書かせるような問題はよく出される。問題に取り組むときは答案の書き方を念頭に置いて解くように言っておく。
 いずれにせよ、センター試験終了後は気持ちを個別試験に切り替え、焦ったり慌てたりせず、すべきことを確実にこなしていくように指導したい。

2002年度 センター試験後のスケジュール
1/19(土)・20(日) 大学入試センター試験(本試験)
1/20(日)・21(月) 大学入試センターより正解等の発表
1/21(月) 自己採点
1/23(水)<予定> 大学入試センターより平均点等の発表
1/24(木)<予定> データネット説明会
1/25(金)<予定> 得点調整実施の有無の発表(得点調整を実施する場合、1月26日(土)に対象となる科目の得点換算表が新聞発表される)
1/26(土)・27(日) 大学入試センター試験(追試験)
1/28(月)~2/6(水) 国公立大出願受付
2/7(木)<予定> 平均点等の最終発表

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