PART 2【家庭でのIT活用】
インターネットを介して、教師、生徒、保護者が密につながる
次に、教室での授業を離れたIT活用の状況を見ていく。ネット上に様々な情報を掲載し、生徒の家庭学習のサポート、保護者との連携、さらに校内業務の効率化を図る取り組み例を紹介する。
シラバスを公開し生徒の自学自習を充実させる
現在、日本の学校のWebページは、学校PR的な機能を中心としたものが多いようだ。だが韓国では、いつでも見ることができるその特性を利用して、生徒の学習活動に役立つコンテンツを提供する学校が多い。
東丘(ドング)女子中学校では、Webページを用いて生徒に学習計画を立案させている。
「Webページでは、各教師が担当する授業の学習指導内容が授業の日程と共に紹介されています。生徒には、それを参考に学習計画表を組ませています。Web上で、毎日の授業の内容を詳しく報告しますので、欠席した生徒も授業の内容を確認することができるのです」(東丘女子中学校/チョン サンユル先生)
Webページでは、難易度別に練習問題を掲載したり、教科書の内容をさらに深めるための情報が掲載されている別のページにリンクが張られていたりと、まさにもう一つの教科書、参考書として機能している。
「理解が早い生徒はどんどん新しい課題をこなし、逆に基礎固めに時間が必要な生徒は基本的な問題をじっくり時間をかけて解く。Web上での学習なら、生徒は自分のペースで勉強することができるのです」(チョン サンユル先生)
また、Webページでは学問の歴史や成果などを読み物として紹介している。日々の授業への関心を高めながら、生徒の自学自習の時間を増やすことを狙っている。日本でも、週5日制の実施を前に家庭学習の重要性が叫ばれており、同校の取り組みは非常に示唆に富んでいる。
「いくら中身が素晴らしくても生徒がクリックしなければ意味がありません。自分のためになる情報が載っていることに気付かなければ誰だって関心を持ちませんよね。Webページに情報を載せて終わりではなく、今後も生徒の目を引く仕掛けを考えていきたいです」(チョン サンユル先生)
Webページを活用した生徒の家庭学習
東丘女子中学校では、自校のWebページを利用して各教科が家庭学習の素材を生徒に提供している。教科担任の顔をクリックすると、各教師が作成した練習問題などが掲示される(左の画面は英語科の画面)。http://dong-gu.ms.kr
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