成績、出欠などすべての生徒情報をデータ化
「ICT活用教育の先進校として韓国一の自負を持つ」とユン テイク校長が胸を張る中東中学校。サーバー(端末を管理するコンピュータ)を置く教育情報室には、Webデザイナーやメンテナンス技術者6人が常駐するなど施設・設備の面でも韓国トップクラスだ。
同校では、生徒情報の管理をコンピュータで一元化している。例えば、生徒や保護者は自宅のパソコンで同校のWebページにアクセスして、パスワードを入力すると成績や出席状況が確認できる。
「3年間を通した成績記録や体験活動、ボランティアなどの様子、校内での表彰履歴など、生徒一人ひとりのすべての情報を一括管理しています」(ユン テイク校長)
生徒の個人情報が統一されたフォームでデータ化されているので、担任以外の教師でもその生徒の状況をスムーズに理解することができる。
また、多くの学校同様、中東中学校でもEメールを利用した相談室や掲示板を設置しているが、学校に関する要望を書き込むなど、積極的に活用する生徒が多いようだ。アメリカでの同時多発テロ事件などの大ニュースについての意見を交換するなど、生徒間の交流にも役立っている。
「生徒が提出した宿題もネット上に掲載しています。生徒は提出後に宿題の間違いなどに気付くと書き直して再送するので、常に最新の成果物を掲示していることになります。教師個人のWebページも充実しており、生徒の学習のための資料などを提供しています」(ユン テイク校長)
ネット上を飛び回り 多様な現実社会を仮想体験する
インターネットを活用することで、教科の枠を越えた融合型の学習の実施も容易になった。例えば、陽川中学校のハム ヨンギ先生が運営するサイト「世界の国を旅しましょう」では、生徒がインターネットを利用しながら海外旅行を仮想体験できる。その国の気候や産業、文化などを調べながら、最後には友達に送る絵はがきを完成させる教育ゲームだ。
「通貨単位の換算、自然環境の調査、旅行日程の立案など、多種多様な状況での作業を通し、様々な知識を身に付けていくゲームです」(ハム ヨンギ先生)
様々な情報が瞬時に入手できるインターネットだからこそ、生徒にとって大きな負荷もなく自分の力で調べ、知識を増やしていく経験ができるのだ。
「インターネットの普及により、生徒は様々な情報を目にすることになります。その結果、性の問題を軽視したり、暴力を肯定するような風潮が生まれるなど、悪影響も一部にあるのは事実です。しかし、だからこそ我々教師はネチケット(インターネットを活用する上で求められるエチケット)を生徒に教えながら、インターネットの世界を教師の指導の下で大いに体験させるべきなのです」(ハム ヨンギ先生)
Webページを活用した教科横断型学習
ネット上で世界旅行を仮想体験しながら、様々な教科の力を身に付けていくサイト「世界の国を旅しましょう」。多種多様な情報を手軽に入手できるインターネットの特性を十分に活かした教材と言えるhttp://wbi4u.net/project/world
中東中学校の教育情報室は、校内のコンピュータの一括管理を行う。ITの専門家をスタッフとして常駐させるなど、教師のIT活用をバックアップする体制が整っている。
<前ページへ 次ページへ>
|