VIEW21 2001.12  特集 高校生の学力と学習行動成立の要件

 次に、自宅学習での受動的学習と自主的学習について図11を検討してみよう。数学・英語共に「宿題があれば必ずする」に強く反応しているのはBレベルの生徒であり、Aレベルの生徒は自主的学習にシフトしており、「宿題は出すがトップ層はしない方がよい」という先生方の声(自分で発展学習にチャレンジすることを条件に)を英語の場合は反映したものとなっている。ちなみに休日における学習行動は数学も同じ傾向を示している。
 AとBレベルの分割点は偏差値60となるがこの「壁」を破るためには「予習を柱にした学習成果を授業でチェックする」行動が決め手となることを3年生の場合裏付けるものとなった。DとEレベルの分割点は偏差値45となるがこの「壁」を越えるためにはオリテン・リハーサルプリントを確実に行い、基礎・基本を定着させることだと多くの先生方が指摘される。しかし、数学・英語は65~60ポイント程度の生徒が実行できていないのが実態である。
 数学は「授業進度に合わせて問題演習をしている」生徒がAレベルでも30ポイントであり、行動に移りにくい状況にある。先生方が一様に指摘される「分からない問題にぶつかった場合20分前後考える」という学習行動は、学力レベル間格差が大きいが、自主的学習としての行動レベルは最も高く、AレベルとBレベルの実践度に10ポイント程度の格差が発生しており、学力レベルを主観的に計測する観点として妥当性が高いことが検証できた。
 '02年度から週5日制の原則が施行され授業時数は減少するが、生徒にとっては自由に使える時間が増えることになる。

図

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