VIEW21 2002.4  特集 必要とされる「総合人間力の育成」の視点

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教科「情報」の検討状況について

「1年次で履修」「科目Aを履修」が主流も
実施への戸惑いと不安は根強い

 教科「情報」については「まだ校内で十分検討されていない」という高校は減少し、「基本方針を決定し、具体的な課題を検討中」とする高校が増加している(資料3-1)。また、全体的な検討状況では、公立校よりも私立校の方が進んでいるものの(資料3-2)、1年次で科目Aを選択する傾向(資料3-33-4)は公立校、私立校とも大きな違いはない。「情報」に関する校内検討は一見、順調に進んでいるように見える。しかし、本当に03年度スタートに向けて準備は着実に積み上がっていっているのであろうか。
 現在の社会的情勢から、高校生が「情報」を学ぶことの重要性は高校でも理解されている。しかし、具体的な授業の中身となると、ほとんど検討の進捗が見られない高校も少なくないようだ。その原因として大きくは三つの理由が考えられる。一つ目は、03年度カリキュラムの見直しなど、より火急に検討を要する課題が校内に山積している点。二つ目は、「情報」を一体どのように実施し、評価していけばよいのか、具体的な検討のたたき台そのものが固まらない点。そして、最大の理由は「情報」の指導が、(数学や理科への読み替えを行わない限り)大学入試には直結しないと判断されている点である。この点が「総合学習」への期待との決定的な違いとなっている。
 フリーアンサーには「情報化社会に対応できる最低限の知識・技能を身に付けさせるために有効」といった「情報」に期待する声もある反面、「家庭科や『総合学習』、その他の教科指導の中で対応は可能」「担当教師は本当に確保できるのか」といった疑問、不安の声が多い。
 高校現場に「情報」が定着するためには、これから情報化社会を生きていく生徒にとって、不可欠な能力を育成する重要な教科であるという認識の確立が必要である。

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