VIEW21 2002.6  新課程への助走

指導改革と学習意欲の掘り起こしで
授業時間の減少に対処

 履修科目数の増加に伴って当然問題になるのが、いかにして授業時間を確保するのかという問題である。だが、同校では03年度以降も、これまで実施してきた65分×5コマの枠組みを基本的に踏襲し、全人教育重視の視点から土日の補習も今のところ予定していないという。また、「総合学習」についても、従来から取り組んできた小論文指導・課題研究を中心としたメニューを既に確定済みであり、03年度カリキュラムの中にきちんと位置付けられている。この点に関する同校の姿勢について、鈴木先生は次のように説明する。
 「確かに50分授業と比べても授業時間の大幅な増加はありませんし、65分と1コマ当たりの時間が大きいカリキュラムの運用は、2単位科目の増加する新課程下では今まで以上に難しくなるかも知れません。しかし、10年以上に渡って65分授業を実施してきた本校では、65分授業に完全に対応した教師の指導スキルが確立されています。実際、03年度カリキュラムの決定に当たり、65分授業の継続を主張し通した先生の中には、65分授業の導入時に難色を示していた先生も交じっていたくらいなのです(笑)。そこで、新課程への対応を考える際にも、『これまで蓄積してきた指導スキルを環境の変化に対してどう生かすか』という視点を大切に考えました。問題は1単位時間の長さといった『量』にあるのではなく、生徒のモチベーションを向上させ、授業の内容を精選していくといった『質』の面での改革がより重要になるのではないでしょうか」
 こうした認識に立ち、同校では今後、次の2つの取り組みを軸に指導改革を図っていく予定だという。

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