中高一貫制は選択肢の一つである
一連の改革が実行に移された02年4月、同校には159名の中学生が入学した。永田先生は「どの生徒の顔も生き生きとしていてこれからが楽しみ」と、今後の指導に意欲を燃やす。だが、永田先生は同時に「中高一貫制自体が学校改革につながるのではない」と気を引き締める。
「確かに中高一貫教育は大きな可能性を秘めています。しかし、この制度自体がどの学校においても改革の処方箋になるとは限りません。地域性、生徒・保護者のニーズなど、その学校が置かれている状況を踏まえた対応が必要でしょう。様々なバリエーションを持った高校が存在し、その中から生徒が自分に合った学校を選べるようになってこそ、本当の意味で高校の個性化によるメリットが発揮されるのではないでしょうか」
魅力ある学校づくりに向け、現在多くの高校が制度上の変革をも視野に入れながら、将来の自校の在り方を模索している。「改革の成否は、それを『自校の改革』として位置付けられるかどうかにかかっている」(竹山先生)とする浜松西高校のメッセージは、今後改革を目指す多くの学校にとっても重要な視点ではないだろうか。
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