VIEW21 2002.6  特集 魅力ある学校づくりにどう取り組むか?

単位制高校の事例

奈良県立奈良高校

生徒の主体的な進路選択をあくまでも尊重

 全国でも有数の進学実績を誇る奈良高校は、普通科進学校としていち早く単位制を導入し、特色ある学校づくりに向けて動いてきた。そんな同校の取り組みの現状についてうかがった。

 奈良高校が単位制を導入したのは95年。隔週5日制のスタートによる授業時間の減少や、従来の文系・理系の二類型に基づいたカリキュラムでは、多様化する大学入試に対応し切れなくなりつつあることを受けての決断だった。だが、単位制導入に向けた同校の議論は、より根本的な次元からスタートしたと、田中祐二進路指導部長は語る。
 「本校が単位制を導入する際に重視したのは、あくまでも『生徒が自分で決めるカリキュラムをつくる』という点でした。本校は『自主創造』の校風の下、生徒の自主性の育成に積極的に取り組んできました。単位制の導入は、その伝統をより発展させるための取り組みなのです」
 自主的な科目履修により学習意欲や進路観を育成する――。単位制の先に、同校の教師たちはそんな目標を見据えている。


奈良県立奈良高校
1924年(大正13年)創立。単位制の普通科校。全校生徒1083名。定時制と通信制を併設する。02年度入試では東京大2名、京都大35名、大阪大53名、神戸大24名、奈良県立医大4名など国公立大に310名が合格。私立大は、同志社大、立命館大、関西大、関西学院大、早稲田大、慶應大などに492名が合格。
住所/奈良県奈良市法蓮町836 電話/0742(23)2855
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奈良県立奈良高校教諭
田中祐二
Tanaka Yuji
教職歴28年目。同校に赴任して12年目。進路指導部長。物理担当。「『自主的であれ、自分を大切にしろ』がモットーです」
奈良県立奈良高校教諭
塩川哲也
Shiokawa Tetsuya
教職歴20年目。同校に赴任して11年目。教務部長。数学担当。「私自身も『自主創造』する教育者でありたい」

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