VIEW21 2002.9  新課程への助走

事例紹介

埼玉県立蕨高校

今年度はパイロット版
新課程版へのバージョンアップを前提に
全教科のシラバスを作成

新課程対応を念頭に始まったシラバス作成

 地域の進学校として、毎年着実に進学実績を積み重ねている蕨(わらび)高校。埼玉県の「学力向上総合推進事業実践推進校」でもある同校では、校内に設けられた「新教育課程プロジェクト推進委員会(以下プロジェクト委員会)」を中心に01年度からシラバス作成に取り組み、02年度からは実際にその運用を開始している。「プロジェクト委員会」委員長を務める松本恭介先生は、その背景を次のように説明する。
 「03年度新課程を見据え、本校では現在、『プロジェクト委員会』を中心に様々な学校改革の議論が進行中です。シラバスの作成も単独で出てきた話ではなく、大きな学校改革プランの中の一つとして位置付けられています」
 「プロジェクト委員会」は03年度に向けた課題を総合的に処理する組織として、00年度に分掌を横断する形で設けられた。管轄する分野は、「総合的な学習の時間」の内容からシラバスの作成、そして、02年度からスタートした65分授業への対応など広範囲に及んでいる。そして、この65分授業の導入こそ、シラバス作成を促した直接的な契機だった。「プロジェクト委員会」メンバーの三角定先生は次のように語る。
 「授業時間を確保するため、本校では02年度から従来の50分×6コマベースのカリキュラムを65分×5コマをベースとしたものに改組しました。授業一回当たりの進度や密度の変化は、教師のみならず、生徒にとっても大きな影響を与える出来事です。そこでシラバスの作成が急がれたのです」
 では、同校では具体的にどのような検討を経てシラバスを作り上げたのだろうか。以下に、その流れを整理してみよう。


埼玉県立蕨(わらび)高校
1957年(昭和32年)創立。普通科・外国語科を設置する共学校。全校生徒数1085名。02年度入試では、埼玉大13名をはじめ、筑波大、東京工業大、千葉大など国公立大に35名が合格。私立大は早稲田大、慶応大、上智大などに269名が合格。
住所/埼玉県蕨市北町5-3-8 電話/048-443-2473
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埼玉県立蕨高校教諭
松本恭介
Matsumoto Kyosuke
教職歴19年目。同校に赴任して7年目。教務主任。数学担当。「自ら可能性を追求する生徒を育てたい」
埼玉県立蕨高校教諭
三角定
Misumi Sadashi
教職歴13年目。同校に赴任して3年目。数学担当。「生徒には芯の強さを身に付けてほしい」
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埼玉県立蕨高校教諭
齋藤淳子
Saito Junko
教職歴22年目。同校に赴任して7年目。進路指導主事。英語担当。「知識を深める楽しさを伝えたい」
埼玉県立蕨高校教諭
市川啓二
Ichikawa Keiji
教職歴17年目。同校に赴任して6年目。化学担当。「目標をしっかり立て、努力できる生徒を育てたい」
埼玉県立蕨高校教諭
加藤友作
Kato Yusaku
教職歴14年目。同校に赴任して3年目。教科主任。数学担当。「自ら考え、行動できる生徒を育てたい」

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