VIEW21 2002.10  VIEW'S REPORT

【開催直前】
学校改革と密接な関係にある「高校生フォーラム」

 今回行われた「高校生フォーラム」の主催校である倉吉東高校は、鳥取県でも有数の進学校である。21世紀の教育環境の変化を見据え、95年度からスクール・アイデンティティ構築に向けた議論を進めてきた同校は、01年度に改革のグランドデザインである「倉吉東高のかたち」を策定。「学びの復権」を中核的な理念として、抜本的な学校改革を進めている。「高校生フォーラム」開催直前に行われた本誌のインタビューに対し、同校の岡本康校長は「今回の『高校生フォーラム』は、本校では学校改革の延長線上に位置付けている」と強調した。
 「『倉吉東高のかたち』における『学びの復権』とは入試学力の伸長を図ることだけではありません。様々な社会問題が山積している21世紀の社会環境の中で、高校生として今考え得る最大限可能な問題解決の方向をまとめ、将来の日本及び世界に貢献できる資質を身に付けることこそ『学びの復権』が目指す本質的な目標です。『高校生フォーラム』は、このような趣旨と目的で企画されました」
 現代社会の諸問題を研究するだけで終わらせず、その成果を「環境問題 わたしにまかせなさい!」というフォーラム形式で発表するようにしたのはその表れだ。「高校生フォーラム」の企画段階からかかわってきた牧尚志先生は、そのねらいを次のように説明する。
 「問題解決能力の育成を掲げる以上、具体的な解決策まで考えさせ、さらにそれを人前で発表する機会を設けたかったのです。また、広範な交流を通して質の高い刺激を共有できるほど教育効果は大きくなります。そこで、すでに先進的な取り組みをしておられる他の高校にも共同開催を呼びかけました」
 企画段階からコンセプトが明確だったため、準備は比較的順調に進行した。参加校への説明は01年10月には終えて、同校の生徒への打診も同年度中に終了した。
 「もちろん、各校との調整や事前準備には苦労しましたが、何とかここまで漕ぎ着けることができました。あとは当日どれだけのものを生徒がつかんでくれるかです」(牧先生)

写真
プロジェクターを使って調査研究の成果を英語で発表する安養高校の生徒。そのプレゼンテーションに会場から大きな拍手がわいた。



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