「学習習慣の確立」というねらいをフォーマットに反映
同校のシラバスのフォーマットを資料1に示した。一見してまず気付くのは、「学習方法」の欄に極めて大きなスペースが割かれていることだろう。
「『主体的な学習姿勢を養う』という目的に照らして、この欄を充実させることに留意しました。シラバスは入学式の日に新1年生に配付しますから、高校生としての学習スタイルを意識させられるよう工夫しました」(荒神先生)
化学のシラバス作成を担当した古家啓司先生も、配付時期が入学式の日であるという点には特に気を遣ったと述懐する。
「単に授業内容だけを羅列したシラバスになっても意味がありません。中学よりも突っ込んだ内容を扱うことを新入生が意識できるような記述を工夫しました」
実際、化学のシラバスには、原子やイオンの概念について専門的な解説が加えられており、一見して中学の理科とのレベルの違いを実感できるようになっている。
一方、科目によっては授業進度を示した部分についてもさらに工夫が加えられた。例えば、単元や分野ごとの学習ポイントを明示して、「学習の手引き」的機能をさらに充実させたり、他の科目の関連分野を記して、教科間の関連性を生徒が理解できるようにするといった工夫が加えられている。
「単元を扱う順序や科目相互のつながりなどは、シラバスを作成する過程で改めて確認できた部分も多かったですね。もちろんこれらは、03年度に向けて見直しが必要になる部分も多いと思います。例えば、数学と化学の間では、指数計算とアボガドロ定数の関係などをもう一度見直す必要があるでしょう」(古家先生)
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