VIEW21 2002.12  国際人を育てる THINK GLOBAL

文部科学省が取り組む国際理解教育

「『英語が使える日本人』の育成のための
戦略構想」の概要

――「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想」が策定された背景について教えてください。
 国際社会の中で子どもたちが生き抜いていくためには、既に国際的共通語となっている「英語」のコミュニケーション能力は欠かせません。しかし、日本では英語を使う機会が少ないために、なかなか英語力が身に付かないという問題を抱えています。この構想では、日本人に対する英語教育を抜本的に改善するため、様々な有識者の方から意見をいただき、具体的なアクションプランを立てています。03年度の政府予算案が決まった段階で、戦略構想を再度検討し、行動計画として取りまとめる予定です。
――今回の戦略構想の中で、特徴的な内容を教えてください。
 主な政策課題としては、学習者のモティベーションの高揚(英語を使う機会の拡充と入試の改善など)や英語教員の資質向上及び指導体制の充実などが挙げられています。特に、今回の戦略構想では、レベルごとに具体的な達成目標を設定しているのが特徴です。中学校卒業段階では挨拶や応対などの平易な会話ができる、高校卒業段階では日常の話題に関する通常の会話ができることを目標としています。
 また、英語教師などが備えておくべき英語力の目標も設定しました。英検でいうと準1級、TOEFL、TOEICでいうとそれぞれ550点、730点程度です。これは、英語教師の採用の際にも条件の一つとして、都道府県等に要請していくことにしています。その他、高校生の留学を促進するための施策も考えています。将来的に年間1万人の高校生が海外に留学することを目標としています。

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文部科学省 初等中等教育局 国際教育課 国際理解教育係 係長
近藤裕史
Kondo Yuji

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