( 事例 ) 北海道苫小牧市立緑陵中学校
全国の中学校に先駆けて絶対評価の研究に取り組んだ苫小牧市立緑陵中学校の事例を報告する。
評価規準の作成→授業での実践→評価規準の修正 を繰り返す
苫小牧市立緑陵中学校は2001年、国立教育政策研究所の指定を受け、絶対評価の研究に取り組み始めた。しかし、教師が絶対評価の概要を理解するのに予想外の時間が掛かり、実際に取り組みがスタートしたのは6月から。残された期間は1年を切っていた。
「とにかく時間がない中でのスタートでした。まず単元ごとの評価規準を作成したのですが、作成した評価規準が適切なものかどうかは、実際に授業を行ってみないと分かりません。そこで、今年度は、昨年度作成した評価規準を授業で実践し、修正を繰り返しました。この作業は、今でも続いています」と、教務主任の今野教子先生は語る。
同校での評価方法の研究は、次のような手順で進められた。
1.小単元の評価規準を作成する。
2.指導計画を立て、評価の方法と時期を示した評価計画を作成する。
3.授業でどのような態度・反応が見られたら、どの程度目標に達したと判断するか、評価規準ごとに「基準」を作成する。
4.単元末、学期末、学年末などに、どのように評価・評定を総括するか、判定の基準を作成する。
5.評価資料を蓄積し、判定の基準に基づいた総括的な評価・評定を行う。
評価に当たっては、知識や技能の到達度を測るだけではなく、自ら学ぶ意欲や思考力・判断力なども含めて総合的に評価することを重視。指導要領に示された4つの観点(※同校では国語は5つの観点)をベースに、評価規準を設定した。
また、評価方法もペーパーテストのみではなく、レポートや行動観察、パフォーマンステスト、ノート提出、自己評価、発表などを用い、各教科の特性に合った評価を心掛けた。観点別評価の総括・評定への総括については、3つのパターンを事前に準備し、同校に最も適すると思われる方法を選択した。
また、絶対評価については、信頼性・客観性の問題で不安を抱く保護者も少なくないため、保護者会で絶対評価の概略を説明すると共に、日々の授業での評価材料の蓄積も心掛けた。
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