VIEW21 2003.2  コミュニケーション新時代
 生徒との時間をより大切にするために

学力や学習習慣、進路に対する意識を数値化
三者面談は大画面で

 「中学生としての基本的生活習慣と学習意欲を身に付ける」(中1)から「進路実現のため、積極的に努力する」(高3)まで、学年ごとに進路目標が設定されている同校では、02年度から学力や学習習慣、進路に対する意識などを調査する外部のアセスメントを導入した。
 従来は、教師の経験に頼る部分も少なくなかったが、このアセスメントを利用することで、生徒一人ひとりの学力や学習習慣などを、数値によって継続的に把握・分析できるようにしたのである。その結果、きめ細かな個別指導が可能になり、数値化されたデータは、パソコン上で、様々な形で表現することができるようになった。
 高等部で学習・進路指導支援システムを担当する高橋純司先生は、「アセスメントは4月と9月の2回実施しました。その間の学力変化をグラフ化するなど視覚的に見せることができるので、説得力が増すことを実感しました」と語る。三者面談は、中1から高2までは年1回、高3になると随時開催されている。
 「生徒本人の学力推移と同時に、全国的な規模での位置も分かるので、進学目標に対して、自分は今どこにいるのか、このまま学力が推移すればどうなるのか、努力すればどんな未来が待ち受けているのか――進路の『未来予想図』を描くことができます。家庭学習時間などの学習状況も分析できますから、自分が今何をすべきか、自ずと見えてきます。そして何よりも、こうした客観的なデータを教師だけでなく生徒本人、保護者とも共有できるメリットは大きいですね」
 高等部のクラス担任は全員、パソコン上で同システムを操作しながら三者面談に臨む。ある教師は、同システムのデータをプロジェクターにつなぎ、スクリーンに表示しながら面談を行っている。迫力と説得力が一段と増すと言う。また、校内LANが整備されているため、どこででも面談を行うことができ、その場で志望大学のホームページを見ることも可能となっている。
 客観的な根拠を目の前に提示しながら行う面談により、面談の場でのコミュニケーションはよりスムーズに展開し、教師のアドバイスに対する保護者の納得感は確実に高まっている。

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52台のコンピュータが並ぶコンピュータ室。「情報」の授業が展開される場所だ。プロジェクターや各種AV機器など、最新の設備が導入されている。板書の代わりに教師が入力した情報は、生徒が座っている場所で見ることができる。



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玉川聖学院中・高等部教諭
石井俊二
Ishii Shunji
教職歴17年目。同校に赴任して17年目。教務部主任。情報教育推進委員長。「生徒には、豊かな人生を築き上げられるようになってほしいです」
玉川聖学院中・高等部教諭
高橋純司
Takahashi Junji
教職歴7年目。同校に赴任して7年目。情報教育推進委員。「判断力の基礎となる部分を、しっかりと伝えていきたいですね」
玉川聖学院中・高等部教諭
澤田恵子
Sawada Keiko
教職歴25年目。同校に赴任して2年目。情報教育推進委員。家庭科担当。「自学自習のできる生徒を、育てていきたいですね」

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