ベネッセ教育総合研究所 ベネッセホールディングス
生徒の多面的把握が指導を変える
   7/13 前へ次へ


中学生の実態を把握し今後の指針を探る
 同校では今、自校の生徒を把握することに加え、これから入学してくる中学生を理解することにも力を入れている。その目玉となるのが、中高連携の研究授業の実施だ。
 「今年度は英語の授業について実施しましたが、中学校・小学校の教師、合わせて40名程度に本校の授業を公開しました。そして、授業終了後は、指導スキルの問題のみならず、『現在の生徒には高校段階でどのような指導が求められるのか』あるいは『本校で学ぶならこれだけは教えてほしい』といった情報交換会を行いました。生徒の気質変化が進む中、未来の生徒たちを把握する重要性は増していくでしょう」(根本先生)
 さらに、こうした変化を先取りする形で、同校では02年度中に、新学年団のメンバーを仮決定している。新学年団でプロジェクトチームを編成して新年度の学年指導計画を作成するためだ。
 「近年の調査結果を分析したところ、本校の生徒の進路意識が低下しつつあることが分かってきました。そこで、03年度に向けては大学見学会の時期を前倒ししたり、『総合的な学習の時間』の内容を進路観育成を図る取り組みにシフトしたりして、早期に進路意識を高められるような年間計画を検討中です。実は、これまでは次年度に向けてプロジェクトチームをつくっても、実際に人事を行うとメンバーが変わる場合もあったのですが、今後はそうしたぶれをなくすよう改善したいと思っています」(諏佐先生)
 生徒把握を今や中学生にも広げつつある福島東高校。3年間の体系的な生徒把握プランは、さらに4年、5年のスパンを見据えた取り組みへと深まりつつある。
福島東高校の生徒把握・指導改善サイクル(1年次)
 
このページの先頭へもどる
   7/13 前へ次へ
 
このウェブページに掲載のイラスト・写真・音声・その他のコンテンツは無断転載を禁じます。
© Benesse Holdings, Inc. 2014 All rights reserved.