ベネッセ教育総合研究所 ベネッセホールディングス
新課程のスタート状況と今後の展望
   4/9 前へ次へ


中学校新課程への対応には課題の積み残しも
 新課程の指導上の大きな懸案である中学校での学習内容削減への対応に関しては、どのように考えられているのであろうか。資料5は、高校でのカバーの方針を示すものであるが、全体で78.3%の高校が、「通常のカリキュラムに上乗せして指導し、指導終了時期は例年通りとする」と答えている。他方、1年次の早いうちに中学校の削減内容分を集中的に指導しようと考えている高校も、8%程度と少ないが存在している。
 ちなみに、表示していないが、新課程に対応した指導改革の検討状況を問う質問で「中学の教科書・指導内容を確認した」とする高校は、全体で42.6%であり、公立校34.4%、私立校54.0%となっている。中学校の学習内容との接続を考慮し、高校での3年間の学習指導をどう展開していくのか、具体的な検討をこれからの課題に残している高校が少なくないと言える。
資料5


45分授業が増加土曜日の活用は公立校でも一般化
 次に、完全週5日制や「総合学習」導入下での授業時間数の確保がどのように行われているか、概括的に見てみたい。
( 授業時間・コマ数、課外授業 )
 授業時間やコマ数を見直す動きは、公立校で続いている(資料6)。週5日制が導入された02年度→03年度の間での変化は、私立校ではほとんど動きがないが、公立校では、現在の主流である50分×6コマをベースとする割合は6.8ポイント減少して48.4%となり、逆に45分×7コマは4.0ポイント増加して14.1%となっている。その結果、後者の割合は、65分×5コマをベースとする割合(2.2ポイント減少→15.5%)とほぼ並ぶまでになった。
 また、課外授業(ぶら下がり)については(資料7)、公立校では各学年共に13~14%、私立校も8~9%程度の高校が、「新たに実施」または「さらに増やしていく」としている。しかし、課外授業は減らしていくという高校も少数だが存在している。
資料6、7
 
このページの先頭へもどる
   4/9 前へ次へ
 
このウェブページに掲載のイラスト・写真・音声・その他のコンテンツは無断転載を禁じます。
© Benesse Holdings, Inc. 2014 All rights reserved.