ベネッセ教育総合研究所 ベネッセホールディングス
新課程のスタート状況と今後の展望
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【2】 「総合的な学習の時間」の成果と課題
取り組みの内容に公私間格差が
 03年度より完全実施になる「総合的な学習の時間」(以下「総合学習」)について見ていきたい。
 まず、「総合学習」を先行実施したとする高校は、表示していないが全体で20.3%となっている。公立校では、私立校に比べてやや先行実施率は高いものの、あまり大きな差はない。「総合学習」の先行実施については、小学校、中学校では共に大半の学校が実施したと伝えられており、義務教育段階に比べるとやはり高校での先行実施へのハードルは高かったようである。
 しかし、資料11に見るように、「予定なし」や「教科学習(読み替え)」とする割合は、公立・私立を合わせた全体で見ても、1割程度にすぎない。この数字は、1年前の調査結果よりもさらに下がっており、大部分の高校では、今後「総合学習」の実施を予定していることが分かる。ただし、私立校では、「教科学習(読み替え)」「予定なし」とする割合が合わせて2割程度とやや高くなっており、「総合学習」に対する公私間の意識差が裏付けられた形となっている。
 各校が予定している「総合学習」の内容を見ると、1年次では「進路学習」が中心だが、2年次では「テーマ学習」「小論文」の比重がやや高まり、3年次では「小論文」の比重が高まる傾向が見られる。
 しかし、資料11が複数回答の結果であることを考慮すると、公立校と私立校では、「総合学習」の展開の仕方に明らかな差が見られる。
 すなわち、公立校では、「進路学習」「テーマ学習」「小論文学習」を同じ学年で順次実施したり、適宜組み合わせて実施している高校が少なくないことがうかがわれるのに対し、私立校では、いずれかの単独の取り組みが多いことがうかがわれるのである。
 「総合学習」の評価方法について、数字のみ紹介すると、02年12月現在確立済みが18.1%、03年4月以降に検討予定も34.9%あり、「総合学習」の評価は多くの高校にとって焦眉の課題となっている。
 資料12は、実施の単位数を示すものであるが、各学年1単位が大勢を占めている。
資料11、12
 
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