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東京都教育庁学務部副参事
(学校経営指導担当) |
太田耀次郎
Ota Yojiro
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東京都に見る改革の「今」 |
東京都教育委員会の施策
学校活性化に向けた独自の学校運営を
R-PDCAサイクルの導入で推進する
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学校の自己点検・評価に向けた、学校単位の取り組みがスタートする一方、教育委員会主導の下、自治体単位で取り組みを始めようとする動きも見られている。03年度からスタートした東京都の取り組みを追った。 |
自律的な学校改革を促すシステムの整備を目指す |
03年度4月、東京都では東京都教育委員会(以下、都教委)主導の下、全都立高校における「学校経営計画」の策定がスタートした。「学校経営計画」とは、「目指す学校像」を実現するためのアクションプランと、それをR-PDCAサイクルで検証・推進していくための手法を明らかにしたもの。今回の取り組みに際してはそれを学校要覧、及び学校のホームページ上に掲載することも合わせて規定された。太田耀次郎副参事はその意義を次のように語る。
「これまでも学校運営連絡協議会(学校評議員制度に先行する東京都独自の制度)などを通じて学校の取り組みは絶えず点検・評価されてきましたが、その実態が外部に見えにくかったのは事実です。学校の活動を広く認知してもらうことで、一層地域の信頼に応えられる学校づくりが進むのではないかと考えました。また、R-PDCAサイクルの確立を通じて、高校の自律的な学校改革を支援できればと考えたのです」
「自律的な学校改革」を支援するねらいは、「学校経営計画」の作成方法にも反映されている。都教委が提示したのは「年1回活動の評価を行うこと」「学校目標の欄を設けること」など、大まかな枠組みのみであり、教育目標の内容や、その実現に向けた施策の設定、フォーマットなどは、学校裁量に任された(資料4)。
「教育目標は学校ごとに違うのですから、それを実現するための方策や、達成度を測る方法も当然違ってきます。例えば、『数値評価の対象項目をどこに置くか』という問題一つ取っても、進学校なら希望進路の達成率や、大学合格者数になるでしょうが、学校によっては遅刻率や卒業率になるかも知れません。自校にふさわしい目標を設定できるかどうかが、R-PDCAサイクルの質を左右すると思います」(太田副参事) |
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人事・予算制度を改め学校の権限を拡大する |
今回の取り組みに関連して、都教委は学校人事・予算制度の改革も合わせて行った。中でも最も大きな改革と言えるのが、人事異動に対する校長の発言権の拡大と、学校予算の使途制限の撤廃だ。
「従来は、校長があるビジョンに基づいた学校づくりを行おうとしても、それに見合った人材や予算を確保することは困難でした。しかし、学校側に自律的な組織運営を求める以上は、それに見合った権限を委譲することが必要です。各校には、それぞれの学校の役割・特質を見極めた上で、独自の学校づくりに向けてこれらの制度をうまく活用してほしいと思います」(太田副参事)
このような、学校のR-PDCAサイクルの構築と合わせ、都教委は「学校経営計画」の達成状況などを基に、都教委による学校の外部評価も04年度から実施する予定だ。次項からは、一連の改革と向き合う高校現場の事例を追う。 |
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