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シラバス作成をどのように進めるか?
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骨太の学力が身に付けられるシラバスをつくりたい
 同会ではシラバス作成に当たって、「バーチャル高校として、どのような生徒を育てることを目指すか」ということを、まず各教科で議論したという。
 「今回参加した先生は進学校にいるため、普段はどうしても受験指導に追われてしまい、本当に教えたい内容を教えられないという悩みを抱えています。そこで英語科のメンバーで話し合ったのが、生徒の進路実現を果たしながら、なおかつ大学進学後や社会人になってから必要とされる英語力を身に付けさせられないかということでした。目指すのは”骨太の学力“です。これは英語科に限らず、どの教科にも共通したスタンスだと思います(資料1)」(森田先生)
資料1
 実際、数学科のシラバス作成の基本的な考え方について、定久先生は次のように説明する。
 「数学というと、公式や解法を教えるのがメインというイメージがありますよね。しかし、ある解法を学ぶことは、一つの思考パターンを自分のものにすることでもあります。様々な解法を知る度に、思考の幅も広がります。そこで数学という道具を通して、論理的思考力を身に付けられないかと考えたのです」
 国語科でも、高校時代を「論理的思考力の基礎を育成する期間」と位置付け、文章の構造を的確に読み取る力と、それを自分の言葉に置換して説明できる語彙力の養成に力を注ぐことにした。論理的思考力の育成を重視した背景には、生徒の学力を分析した結果、文学史などの暗記系統の学力がさほど落ちていないのに対して、読解力の低下が明らかになったことも大きかったという。
 「具体的には、3000字以上の文章を早く的確に読むことを目標にし、シラバスでは、教科書を使うことを必ずしも前提としませんでした。利用したい教材が教科書の中にあった場合は活用しますが、原則は教師が自分で教材を見つけることです」(高松先生)
 さらに課題図書を設けることで、数多くの作品を読ませる機会をつくっている。例えば2年の後期に夏目漱石の「こころ」を教材として扱う場合には、冬休みの課題図書として「こころ」を1冊読破してくることを課すなど、授業と関連を持たせる工夫もしている。 多読の方針は“骨太の学力”を目指す英語科でも同様だ。
 「1回の授業での進度は500ワードを目安にしています。従来の訳読中心ではなく、大意把握中心の授業を展開すれば、量を読ませる授業を実現できると考えたのです。この場合、生徒の予習が従来以上に不可欠になりますから、生徒には次回の授業の学習ポイントを明示した予習プリントを配ります。さらに授業では読ませるだけでなく、書く、話す、発表するなど、多様な活動を取り入れることで、足腰の強い英語力を養いたいと考えています」(森田先生)
 
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