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(2)予習カード、ワークブック化で、生徒のシラバス活用の向上を図る
「生徒にいかにしてシラバスを活用させるか」という問題についてはどのような対策が考えられているのだろうか。地歴・公民科では、「シラバスを授業の予復習に活用させる」というシラバス作成の原点を見据えた対策が考えられた。
「教師が『シラバスを使いなさい』と単に言うだけでは、生徒の多くはちょっとシラバスを開いて見るだけで、すぐに閉じてしまいます。問題は『シラバスが実際に役に立つ』と生徒が感じるきっかけを与えることだと考えました」(比嘉聡先生)
そこで地歴・公民科では、ある教師の発案で「予習カード」が作成された(
資料6
)。
「『予習カード』は、生徒が予習をした時に、学習した内容を記入したり、分からなかった箇所について教師に質問を書いて提出するものです。学習した内容を、教科書や参考書の範囲ではなくシラバスの該当箇所で示すようにしていますし、また、教師が課題を出す際も『シラバスの○○の範囲をやってきなさい』というように、シラバスを見なければならないような課題の出し方をするようにしました。これをきっかけとして、シラバスの有効性に気付く生徒が次第に増えてきているようです」(津野良信先生)
一方、大幅にフォーマットを改定した英語科では、次のステップとして「シラバスそのものをワークブック化する」という発想でシラバスの活用を一気に進めようとしている。
「フォーマットの改定時に、学習内容を具体的な英文で示すようにしましたが、それはある意味でその単元のエッセンスを取り出した『必須修得例文』になるわけです。これに、生徒が解答を書き込むスペースを加え、授業の中でそのまま教材として使えるようにしました。毎時間の授業でも、生徒たちはシラバスをワークブックのように活用しています(
資料4
)」(仲吉先生)
さらに同校では、学習の定着度を上げるために、シラバスが示す1単元が終了するごとに、全教科で「定着テスト」を実施している。これにより、シラバスに示された学習目標の達成度を、定期的に確認するサイクルが確立された。
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