ベネッセ教育総合研究所 ベネッセホールディングス
学校のノウハウの共有と伝承を図る
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新シラバスでノウハウの伝承を確実なものにする
 同校では、こうした取り組みの実績に基づき、従来のシラバスを改善し、さらに授業の細かな進行や指導ポイントを盛り込んだ「新シラバス」を作成中である。教師の活発な意見交換を通じて蓄積されたノウハウを文書化し、教師の異動に伴うリスクを最小限にとどめるのが目的だ。
 「本校はこれまで、『流儀は問わないが、授業内容はブラックボックスにしない』という考え方に基づき、教師が互いの授業スキルを磨き合う中で、『教科としてのノウハウ』を築いてきました。しかし、改革のスタートから既に4年が経ち、共にノウハウを築いてきた教師の異動が次第に目立つようになってきました。これまでの成果を取り入れた『新シラバス』を作成することで、新任の先生が赴任しても、教科全体でフォローできるような体制を盤石なものにしたいと考えています」(奥山先生)
 一方、荒瀬校長は、教師の異動とは別の観点から、「新シラバス」の必要性を感じている。
 「我々はこれまで、自らを『挑戦者』だと思って、すべての教育活動を行ってきました。しかし、成果がある程度出て、生徒の質も上がったため、余程教師が意識しないと『生徒に徹底的に手を掛けよう』という意識が維持し辛くなってしまうのも事実です。我々の『創業の精神』を、次世代の先生方に伝えていくためのシステムづくりが、今後の重要な課題だと思っています」
 絶えず「現在進行形」で形づくられてきたノウハウを、どのようにシラバスの形に落としていくのか。堀川高校の取り組みは、新たなステージに入ろうとしている。
事例から学びたいノウハウ
 
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