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事例1
福岡県立小倉高校のその後
生徒のどんな進路志望にも応えられるカリキュラムの作成
「教育課程検討委員会」の議論を基に、小倉高校が03年度カリキュラムの原案を決定したのは01年度のこと。迅速なカリキュラム決定の背景にあったのは、同校を取り巻く教育環境に対するシビアな認識だった。教務主任の古下広寿先生は、当時を次のように振り返る。
「私立の中高一貫校との競争が激化する中、本校に対しては『従来通り部活動等で全人教育を実践しつつ、かつ、きちんと生徒の進路希望をかなえられる学校で在り続けること』が求められていました。カリキュラムの検討を進める中でも、教師全員がその意識を強く持っていました」
このような問題意識を踏まえた同校のカリキュラムの特徴は、全生徒に対してセンター試験5教科7科目化への対応を保証すると共に、特に医学部志望者に対しては、理科3科目を履修する理系IIコースを設定したことである。進路指導主事の井上英彦先生は、この決断の背景を次のように語る。
「03年度対応を話し合う中で、本校の教師の意識は変わりました。従来からの『九州大に何人合格させるか』という目標に加えて『東京大・京都大にも多数の合格者を輩出する』という目標を掲げたのです。ですから、カリキュラムの設定においても『生徒のどんな進路志望にも応えられる』という目標を最優先に掲げました」
では、この原案はその後どのように修正され、03年度に至ったのだろうか。以下、01年度以降の動きを追っていきたい。
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